着物は高くてなかなか買えないもの。しかし、リサイクルの中古着物であればとても安く購入することができます。
しかも全国に着物リサイクルショップはたくさんあり、またネットの通販でも販売されています。
しかし、リサイクル着物を購入する際は注意したいポイントがあります。
このページで注意点をまとめていますので、これからリサイクル着物を買いたい人は参考にしてくださいね。
リサイクル着物の良い点
まず初めに、リサイクル着物の良い点をまとめておきましょう。
値段が安い
新品の着物を買うには、振袖なら数十万円や100万円以上、普段着の小紋でも5万円など、予算が必要になります。
しかしリサイクル着物であれば状態のいい振袖でも2～3万円で販売されています。少し傷みのある状態なら5,000円程度など、格安で購入することができます。
何種類も所有できる
高価な着物では自分が好きな柄をたくさん揃えるのはハードルが高いです。
しかし安いリサイクル着物なら、何種類も揃えることができるメリットがあります。
「留袖、訪問着、付下げなど一通り揃えられたので嬉しい」
このように格ごとに揃えることも可能です。着物をよく着る人にとっては、嬉しいメリットになります。
初めて着る人におすすめ
着物の初心者の人にも、リサイクル着物はおすすめです。
「着物は初めてなので練習したい」
という人にもピッタリです。高価な着物だと汚したりしないか緊張してしまいます。着付けを覚えるにはリサイクルの中古品は最適です。
リサイクル着物の注意点とは
ではここからリサイクル着物を購入する際の注意点をまとめてみます。
- 目的を持って選ぶ
- 汚れ・傷みを確認する
- サイズを確認する
- 試着する
- サイズ直しを考える
1.目的を持って選ぶ
リサイクル着物は店頭にたくさん並べてあります。
つい好きな柄や色を見て探してしまいますが、まずは実際に自分が必要な着物の種類を考えておきましょう。
例えば入学式やお茶会、パーティー用途に欲しいのであれば訪問着や色留袖、色無地などを探します。
友人との食事やラフなパーティー、お稽古事には小紋や付下げ、紬の訪問着などを探します。
必要な着物を頭に入れた上で着物を見ることがポイントです。
2.汚れ・傷みを確認する
リサイクル着物は中古品なので、多少のシミや汚れがついています。
お店側は売る前に補修する場合もありますが、1着ずつの染み抜きなどのクリーニングはできないため、陳列している着物はほとんどに汚れがあると思った方がいいでしょう。
柄を見るときに、同時にシミなど汚れのチェックもしておきます。汚れが裏地であればあまり気にせず購入する人が多いです。刺繍はほつれていないか、金色の部分が変色していないかもチェックポイントになります。
生地も古い着物の場合は弱くなっていることがあります。いくつもリサイクル着物のお店をまわって経験値を増やすと、触った印象ですぐに破れそうな生地かどうか判断ができます。やはり厚みとハリのある生地の方がよいです。
来店の場合は、初めに軽く見てチェックし、試着した後の畳む際にもう一度細部まで見るとスムーズに確認ができます。
通販の場合は、着物ごとに注意書きとしてコンディションが書かれているので確認しておきます。
3.サイズを確認する
中古の着物は以前に誰かの身体に合わせて作られていることが多いので、自分のサイズと比較することが重要です。
チェックする着物の各部位はこのようになります。
- 「身丈」身長±5cm
- 「裄（ゆき）丈」首の中心から手首までの長さ
- 「前幅」ヒップサイズの1/4
- 「後幅」ヒップサイズの1/4＋5cm
- 「袖丈」概ね49cmで統一
- 「つま下」身長の1/2が標準
この中で、とりあえず身丈と裄丈が合っていれば、たいていの着物は着ることができます。
身丈は多少長さが前後しても大丈夫ですが、裄丈は手首が隠れるか出過ぎるかになるので、ピッタリ合わせるのが基本です。
また前幅・後幅も確認すれば身幅のフィット感も合わせることができます。ただお茶会などでよく動く必要がある場合は、前幅に5cmほど余裕をもたせておくと動きやすくなります。
身長が150cmほどの女性の場合、一世代前は着物のサイズは小さいものが多かったため、在庫が多く選びやすいと思います。背の高い女性の場合は、着物の数が少ないので選ぶのが難しくなるかもしれません。
4.試着する
来店している場合は、気に入った着物を羽織ってみることができます。自分に合うサイズを測っていても、実際に着た印象とは少し誤差があることもあります。
裄の長さは合っているか、身丈、身幅などサイズ感を確認しておきます。
5.サイズ直しを考える
好みの柄を見つけて身丈などを確認し、実際に試着するとあと少し裄丈が欲しい、など気になる点が出ることがあります。
その場合は妥協してあきらめるか、購入後に寸法直しを行うか、この時点で考えておきます。寸法直しには安くても1万円程度はかかってしまうのでこのあたりは予算の問題になるでしょう。
寸法直しをする場合、サイズが大きめの着物を小さく直すのは難しくありませんが、逆に小さい着物を長くしたい場合は限定的なサイズ直しになります。
長くしたい場合の例をご紹介しておきます。
裄丈を長くする
裄丈を長くする寸法直しは近年増加しています。
「身丈はちょうどいいけど手首をもう少し隠したい」
というケースが多いのです。
一昔前の着付けでは袖口は手首のくるぶしが基本でしたが、現在は若干長めを好む女性が増えてきました。
裄丈を長くできる範囲は着物によって異なります。袖付けの縫込みが何cmあるかで決まります。
着物によって、2cm程度伸ばせることもあれば1cmしか伸ばせないこともあります。そのため裄丈はできるだけもとのサイズに合った着物を選ぶのがベストになります。
身丈を長くする
身丈の場合はおはしょりで隠れる部分に継ぎ足しができるので、ある程度小さくても大丈夫です。
例えば2世代前の小さいサイズの着物を、160cmの女性に合うよう10cm程度の足し布をして伸ばすことができます。
この身丈を長くする「胴継ぎ」は寸法直しでも料金が高くなることがあります。
実際には身丈が自分の身長より10cmほど小さくても、着付けを上手くして問題なく着ている人も多いです。
袖丈を長くする
袖丈を長くする場合も縫込みを活用します。
基本は着物の袖丈は「1尺3寸（約39cm）」で統一されていますが、縫込みで1寸（約3cm）程度は長くできます。
（袖の縫込みがない着物もまれにあります）
背が高めの女性や、フォーマルな訪問着などは少し長くする方が似合うことがあります。
通販でもリサイクル着物が買える
リサイクル着物はネットショップなど通販でも買うことができます。
店頭とは違って試着はもちろんできないので、着物の寸法を確認して購入することになります。
コンディションについてはショップによりますが、たいていシミや汚れの位置などが詳しく書かれているので確認しておきます。
返品はできる？
もし購入後に自分のイメージと違った場合は、7日以内で返品を受け付けてくれます。
ただ利用者側の事情であるため、返品する送料は負担しないといけません。
リサイクル品には帯や小物も
リサイクル品には着物だけでなく袋帯・名古屋帯・半幅帯など帯も低価格で販売されています。たいてい正絹でも1,000円～3,000円程度で購入できます。
またかんざしや櫛、帯留め、バッグなども安く購入できます。
まとめ
- サイズ確認は重要
- 汚れ・傷みをチェック
- 通販でもリサイクル着物が買える
- 寸法直しも考えよう
