切手値上げ歴史

切手やはがきの郵便料金は時代の物価に合わせて値上げが何度も行われています。

このページでは郵便切手の登場から現在まで過去にどのような値上げの歴史があったのか、わかりやすくまとめてあります。

懐かしい切手も登場するので料金の変遷を振り返ってみてはいかがでしょうか。

2017年の値上げ

郵便料金は2017年6月1日に値上げされたことは記憶に新しいと思います。

このときは以下のような値上げがありました。

はがき

通常はがき:52円→62円
往復はがき:104円→124円
年賀はがき:52円→62円(※2018年1月8日~)

定形外郵便

重量制だけでなく「規格内」と「規格外」という2種類のサイズを設定。「規格外」の場合は約100円前後の値上げとなりました。

ゆうメール

重量制だけでなく「規格内」と「規格外」という2種類のサイズを設定。「規格外」の場合は約100円前後の値上げとなりました。

→その後2018年6月にゆうメール「規格外」を廃止。1kgまでの取扱いのみとして以前の料金に戻りました。

定形外郵便とゆうメールの値上げについてはこちら↓

2017年6月の値上げでは当初は年賀はがきだけは52円のまま据え置きとしたため、利用者からわかりにくいと批判が出ました。

結局日本郵便は2018年1月8日以降の年賀はがきを62円へ急遽変更する事態となりました。

定形外郵便とゆうメールは大きなサイズの荷物に対して値上げを行いました。ただゆうメール「規格外」は1年で廃止されるなど、しばらく混乱が続きました。

日本最初の郵便料金

明治4年(1871年)3月1日、大阪~京都~東京間で日本で初めての郵便事業が開始されました。

この時の大阪~東京間の郵便料金は5匁(18.75g)まで荷物が1貫500文で、直近の宿駅は100文となります。また追加5匁ごとに48文(100文の半額)という料金設定でした。

幕末では1文がだいたい7~10円前後の価値でしたが、明治初期には100文=1銭となり、現在の100円程度の価値でした。大阪~東京間の1貫500文(1500文)は1,500円程度になります。

ただ5匁(18.75g)まで100円なので、荷物が100gほどになると500円前後追加となります。

国内の鉄道は明治5年に新橋~横浜間で開業し、明治7年には大阪~神戸が開業します。しかし全国に鉄道網が敷かれるのはまだ先であり、局間の郵便物の配達には馬車が使用されていました。

郵便料金の100文に合わせて「竜文切手」が発行されています。

■竜文切手

竜文切手

貨幣単位が「文→銭」へ

明治5年(1872年)1月23日、明治政府はそれまでの100文を1銭とした「新貨」を制定します。これにより明治5年2月に銭単位の「竜銭切手」が登場しました。

郵便料金は距離別に金額を設定しました。

  • 25里以内:100文
  • 50里以内:200文
  • 100里以内:300文
  • 200里以内:400文
  • 200里~:500文

■竜銭切手

竜銭切手

郵便料金も「銭」単位に

明治6年(1873年)、封書の郵便料金は2匁(7.5g)ごとに市内は1銭、市外は2銭となりました。

またこの年に初めて葉書が発行されます。はがきの郵便料金は市内が5厘、市外は1銭となります。

その後封書は第1種、はがきは第2種と区分されるようになります。

明治18年(1885年)には往復葉書が初めて発売されました。

明治40年頃までには東北や九州にも鉄道が整備され、郵便物の運搬日数も短縮されるようになります。

明治41年(1908年)、丸ポストと呼ばれるレトロなデザインの円筒型郵便ポストが登場します。

■明治時代の切手

明治時代の切手

大正時代

大正時代に入ると第1種の郵便料金は4匁(15g)ごとに3銭(はがきは半額)と決められました。

値上げされましたが当時の3銭は現在の75円~100円前後と考えられます。

■大正時代の切手

大正時代の切手

昭和初期

昭和時代の初期も同じく第1種の郵便料金は15gごとに3銭(はがきは半額)と決められました。

封筒だと100g程度になることもあり、その場合の郵便料金は500円前後となり、現代よりも少し高くなっています。

■昭和初期の切手

昭和初期の切手
昭和初期の切手

昭和20年

昭和20年頃になるとそれまでに比べて物価の上昇が起こり始めます。

太平洋戦争の頃には第1種は20gごとに10銭となりました。

戦後はさらに物価が急上昇して20gごとに5円、昭和26年には20gごとに10円となります。

昭和初期に比べて物価は200倍も上がっていて、郵便料金もそれに合わせて高くなりました。

■昭和20年頃の切手

昭和20年の切手

昭和20年の切手

昭和41年

昭和41年に郵便法改正があり、第1種は現在と同じ「定形」と「定形外」に分類されるようになります。

当時の日本は高度経済成長期にあり、物価の急上昇が続いていました。郵便料金はこのようになっています。

定形定形外
25gまで50gまで50gまで100gまで
15円20円25円35円
はがき
7円

■昭和41年の切手

昭和41年の切手

■昭和40年頃の切手

昭和40年頃の切手

昭和47年

定形定形外
25gまで50gまで50gまで100gまで
20円25円40円55円
はがき
10円

■昭和47年の切手

昭和47年の切手

■昭和47年頃の切手

昭和47年頃の切手

昭和51年

昭和51年はさらに物価が上昇し、郵便料金も値上げされます。

世代の方にはなつかしい50円切手や60円切手も登場するようになります。

定形定形外
25gまで50gまで50gまで100gまで
50円60円100円140円
はがき
20円

■昭和51年の切手

昭和51年の切手

■昭和51年頃の切手

昭和51年の切手

昭和56年

定形定形外
25gまで50gまで50gまで100gまで
60円70円120円170円
はがき
30円(その後40円)

■昭和56年の切手

昭和56年の切手

■昭和56年頃の切手

昭和56年の切手

平成元年

平成元年には初めて消費税3%が導入されました。消費税分の郵便料金が値上げされています。

定形定形外
25gまで50gまで50gまで100gまで
62円72円120円175円
はがき
41円

■平成元年の切手

平成元年の切手

平成元年の切手

平成6年(1994年)

平成6年からは以下の郵便料金となりました。

ヤマセミの80円切手はこのとき登場し、2014年の消費税8%の改定まで長く親しまれました。

平成9年には消費税5%が導入されています。

この時期定形外郵便は2回の料金改定が行われ、2003年に現行の料金となりました。

定形定形外
25gまで50gまで50gまで100gまで
80円90円130円(2003年~120円)190円(2003年~140円)
はがき
50円

■平成6年の切手

平成6年の切手

平成6年の切手

平成26年(2014年)

平成26年は消費税が8%となり、郵便料金の値上げが行われました。

定形定形外
25gまで50gまで50gまで100gまで
82円92円120円140円
はがき
52円

■平成26年の切手

平成26年の切手

平成29年(2017年)

平成29年ははがきの値上げが行われました。日本郵便のはがきは年間で300億円の赤字が出ていたため、はがきのみが値上げされることになります。

年賀はがきは当初は52年に据え置きされましたが、2018年1月8日分から62円に変更されています。

また定形外郵便とゆうメールに規格内・規格外の分類が行われれるなど大きな改定がありました(ゆうメールの規格外は2018年に廃止)。

「規格内」とは郵便ポストと郵便受けに合わせたサイズになっていて、配達時に不在でも局に持ち帰る手間がかからない荷物になります。一方持ち帰りが起きる荷物を「規格外」とし、その人件費で区分けされることになりました。

定形定形外
25gまで50gまで50gまで100gまで
82円92円120円140円
はがき
62円

■平成29年の切手

平成29年の切手

令和元年(2019年)

令和元年10月1日から消費税増税(8%→10%)に伴う郵便料金の値上げが行われることになりました。

各種郵便サービスは概ね値上げとなりますが、定形外郵便物の100gまでなど一部で据え置き料金もあります。前回のような大きなサービス改定はないようです。

定形定形外
25gまで50gまで50gまで100gまで
84円94円120円140円
はがき
63円

■令和元年の切手

切手令和3種

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