黒扇切手
レア度
買取価格額面通り
額面50円
発行年度1980年

「黒扇」は、昭和55年近代美術シリーズ第7集で発行されました。

洋画家・藤島武二の作品です。

白いヴェールをかぶり、黒い扇を持って礼装した女性。結婚式か礼拝のときの衣装のように、純白で清らかな白が力のある筆致で描かれています。

これは、欧州留学中に描いた絵で、若い女性は鼻が高く、眉も太く、瞳は大きく輝いて、わずかに微笑んだ口元が印象的です。

右側からそそぐ光の効果がはっきりと画面に映しだされています。

藤島武二は、慶応3年薩摩藩士の子息として生まれ、川端玉章から日本画を学びますが、20代で洋画に変更し山本芳翠から師事を受けます。

その後、東京美術学校で長いあいだ後進の育成にたずさわり、自らも黒田清輝が主宰する白馬会で作品の発表を続けています。

その後、明治38年からフランス・イタリアに4年間留学した時に描いたのが「黒扇」で、重用文化財に指定されています。

ヨーロッパで流行していたアール・ヌーボーに興味が持っていた藤島は、絵画だけでなく装飾的なデザインの分野でも活躍を広げていきます。

与謝野晶子が刊行する雑誌「みだれ髪」や「明星」などで、挿絵や装丁なども手がけています。表紙の絵には晶子の詩が反映されていて、美しい女性の顔にハート型をした髪の毛が巻きつき、そこに矢が突き刺さった情熱的な表現です。

明治時代とは思えない斬新さで、当時は大きな反響を呼んだ作品です。

代表作は、「池畔納涼」「天平の面影」「蝶」「東洋振り」など。昭和18年没。

切手では、幻想的な世界を描いた「蝶」も昭和41年の切手趣味週間で採用されています。

「黒扇」は額面50円、発行枚数は2800万枚。買取価格は1枚数十円、20面シートは1,000円程度になります。

買取業者では額面程度の価値になりますが、他の切手と合わせて査定をすると価値が高くなることがあります。

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1,切手専門の買取業者で査定をしてもらう

近代美術シリーズ切手はシリーズものなのでコレクターにとっては集めるのが楽しい切手になります。

希少価値が高い種類は多くありませんが、需要が高いのでシリーズが揃っていると切手買取業者ならプラスαを加算してくれることがあります。

一般的な中古買取ショップの場合、販売ルートを持っていないので一律の安い金額で買取りされる可能性があります。

2,損をせずに売るなら2社以上で査定

買取価格は切手買取業者ならどこでも同じというわけではなく、価値のつけ方に違いがあります。

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