無我切手
レア度
買取価格額面通り
額面60円
発行年度1983年

「無我」は、昭和58年に近代美術シリーズ最後の第16集で発行されました。明治から昭和まで活躍した横山大観の作品が題材となっています。

無邪気な童子が無造作に着物を着て、川のほとりに立っています。

水は青く穏やかな流れで、草履を履いた足元には、季節の草や猫柳の芽が出ています。童子の表情は無心で、まだ短い髪の毛がこよりで結ばれているのが、いかにも可愛らしい感じです。

幼い子供の表情を見ていると、無条件で癒やされることがありますが、まさにそんな一枚です。29歳の時の作品で東京国立博物館蔵。

横山大観は、水戸藩士の子息 として明治元年に生まれます。東京美術学校第一期性として入学し、岡倉天心や橋本雅邦から学んでいます。

卒業後、しばらくして、伝統か革新か、日本画壇を二分する分裂騒ぎが起きます。美術学校を排斥された岡倉天心ともに、新たなたな日本画を目指す日本美術院の創設に参加して、橋本雅邦、下村観山、菱田春草らと行動を共にします。

大観といえば「朦朧体」ですが、線描を抑え空気や光線を表現する新しい試みは不評で、朦朧体という呼び方は、当時のジャーナリストがつけた嘲笑的な言い方として、日本画の破壊者と避難されたのが大観と春草でした。

古典をそのまま模倣するのではなく、新しい精神の日本画を求め、悪戦苦闘しながら「生々流転」や「夜桜」など、印象的な大作を生み出しています。

その後の大正・昭和の日本画壇を牽引していく存在となっていきます。昭和33年、89歳没。

酒豪らしい逸話として、当時交友のあった広島の酒蔵・酔心から毎年好きなだけ酒が届くことになり、お礼の代わりに毎年一枚づつ送った絵が、酔心の大観記念館に保存されているそうです。

代表作は「無我」のほか、「屈原」「流燈」「生々流転」(重要文化財)、「夜桜」など。

昭和42年の国際観光年でも、「霊峰飛鶴」が採用されています。

額面60円、3000万枚発行。買取価格は1枚数十円、20面シートは1,000円程度になります。

額面程度の価値となっているので、なるべく多くの切手と一緒に査定に出すことをおすすめします。

『無我切手』を損せず高額買取してもらう方法とは?

1,切手専門の買取業者で査定をしてもらう

近代美術シリーズ切手はシリーズものなのでコレクターにとっては集めるのが楽しい切手になります。

希少価値が高い種類は多くありませんが、需要が高いのでシリーズが揃っていると切手買取業者ならプラスαを加算してくれることがあります。

一般的な中古買取ショップの場合、販売ルートを持っていないので一律の安い金額で買取りされる可能性があります。

2,損をせずに売るなら2社以上で査定

買取価格は切手買取業者ならどこでも同じというわけではなく、価値のつけ方に違いがあります。

1枚だと少しの金額差でも数十枚、数百枚になると大きな金額差となります。そのため高く売るには2社以上に査定をしてもらうと損をせずに売ることができます。

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