書類の郵送には定形外郵便がよく利用されています。しかし意外と料金やサイズ規格が複雑で、利用者に不満の多い郵便サービスでもあります。
「A4封筒で送ったら切手の料金不足で返送された」
「定形外になる封筒サイズがわからない」
というように封筒の大きさによって料金や定形外になるか把握しにくいようです。また大きな封筒なので郵便ポストに入るかも調べてみました。
このページではそんな定形外郵便の封筒サイズや料金をわかりやすくまとめてあります。
定形外郵便料金一覧表
定形外郵便物は、封筒のサイズではなく重さで料金が決まります。
必ず重さを量り、それに応じた切手を貼るようにします。下記の料金一覧表を参考にしてみてください。
重さ | 定形外郵便 「規格内」 | 定形外郵便 「規格外」 |
---|---|---|
50g以内 | 120円 →120円 | 200円 →200円 |
100g以内 | 140円 →140円 | 220円 →220円 |
150g以内 | 205円 →210円 | 290円 →300円 |
250g以内 | 250円 →250円 | 340円 →350円 |
500g以内 | 380円 →390円 | 500円 →510円 |
1kg以内 | 570円 →580円 | 700円 →710円 |
2kg以内 | – | 1,020円 →1,040円 |
4kg以内 | – | 1,330円 →1,350円 |
※赤字は2019年10月1日からの料金
郵便局ホームページの料金改定のお知らせはこちら
- 発送方法:郵便局窓口、郵便ポスト投函
- 受取方法:郵便受け(郵便受けに入らない場合や書留なら手渡し)
- 追跡サービス:×(書留なら有り)
- 信書:○
- 配送補償:×(書留なら有り)
- 日曜・休日の配達:×(速達・書留なら有り)
- オプション選択(速達・書留・代金引換・特定記録・配達日指定):○
- オプション選択(着払い):×
A4・B5封筒は定形?定形外?
日本郵便のホームページでは定形郵便と定形外郵便の最大サイズが書かれています。
しかし実際には手元にある封筒は長さを確認しないとどちらに該当するのか判断できません。
そこで、封筒の種類ごとの判別表をご紹介します。A4・B5封筒はどちらも定形外郵便(規格内)に該当します。
- 「角型(かくがた)2号」:A4を折らずに入るサイズ
- 「角型3号」:B5を折らずに入るサイズ
- 「長形(なががた)3号」:A4を三つ折りでちょうど入るサイズ
- 「長形4号」:B5を三つ折りでちょうど入るサイズ
長形封筒は2号と3号が定形と定形外との境目となり、角型封筒は7号と8号が境目となっています。
A4封筒はポストに入らない?
A4封筒の「角型2号」は横幅が24cmです。基本的に郵便ポストも横幅は24cmなのでA4封筒は入ります。
※旧式のレトロな丸ポストは投函口が小さいためA4サイズは入りません
ポスト投函口の厚みは場所によって異なります。例えば新しい郵便ポストなら厚みが4cm、古い郵便ポストなら厚みは3.4cmなどになっています。
またコンビニの中にあるポストは厚みが3cmのものもあるので、分厚くなる場合は確認が必要になります。
2017年6月に料金改定
定形外郵便は2017年6月にサービス改定が行われました。
一番の特徴はサイズを2種類に分けたことです。
- 規格内:「34cm以内×25cm以内×厚さ3cm以内」、重さは「1kg以内」となります。
- 規格外:「3辺の合計90cm以内(長辺60cm以内)」、重さは「4kg以内」
規格内はゆうメールやレターパックなどと同じ最大サイズ、規格外は箱型の郵便物でも対応できるサイズとなっています。
定形外郵便物のメリット
これから郵送を考えるとき、どのような場合に定形外郵便を利用すればお得なのでしょうか。
ゆうパックに比べて安い
ゆうパックは2018年3月1日に値上げされ、料金が高くなりました。(※表示料金は2018年3月時点です)
例えば60サイズの荷物の東京~大阪間の送料は950円になります。同じく60サイズの福岡~北海道の送料は1,510円になります。
これが定形外郵便(規格外)で送る場合、距離に関係なく重さで料金が決まります。
500g以内なら500円、1kg以内でも700円で全国に送れるので料金面でお得になります。
ただゆうパックには30万円までの配送補償・追跡記録がついていますが定形外郵便は標準ではついていません。
定形外郵便物に簡易書留を追加すると5万円までの配送補償・追跡記録をつけることができます。
簡易書留をつけると、料金は500gなら810円、1kgなら1,010円となり料金差が縮まる、または高くなるので書留をつける場合はメリットは小さくなります。
100g以内なら安い
定形郵便サイズにおさまらない冊子などを送る場合は、定形外郵便(規格内)となります。
その品物が100g以内であれば140円で送ることができるので非常に安くなります。
似た郵送方法にはクリックポストやスマートレターがありますが、180円程度かかるので定形外郵便の方が安くなります。
逆に言えば、100gを超える品物は定形外郵便(規格内)だと205円以上になるので、クリックポストなど他の郵便方法の方が安くなります。
オプションが追加できる
料金は高くなりますが、以下のような様々なオプションサービスをつけることができます。
- 速達
- 書留
- 特定記録
- 本人限定受取(一般書留必要)
- 返信依頼郵便
- 代金引換
- 配達日指定
- 配達証明(一般書留必要)
- 内容証明(一般書留必要)
※着払いは定形郵便・定形外郵便は利用できません
近年は様々な郵便サービスが登場していますが、オプションははがき・定形(外)郵便・ゆうメールしかつけることができません。
速達や本人限定受取、配達証明など特定の事情がある場合にオプションは便利です。
定形外郵便物のデメリット
料金面でお得な定形外郵便ですが、デメリットもいくつかあります。
特にネットオークションなどで利用する場合は注意が必要です。
集荷が利用できない
定形外郵便は集荷に来てもらえません。
郵便ポストに投函できるようなサイズであれば問題ないのですが、規格外で重さのある箱型の荷物でも郵便局に持って行く必要があります。
またネットオークションでたくさん出品している人は発送する荷物が多くなりますが、定形外郵便だと全て郵便局に持って行かないといけなくなります。
(集荷依頼ができるのはゆうパック、レターパックプラス、EMS、国際小包のみになります)
今日、
ゆうパックの集荷を依頼し来てもらいました。
定形外郵便も一緒にと頼みました。
どうやら、定形外郵便は、集荷で引き受けないようにと上からの指示があるとのことを聞きました。— いきいき のびのび (@livelylifeline) 2018年9月4日
以前は、ゆうパックの集荷の際に定形外郵便物など他の郵便物も一緒に集荷してもらえましたが、近年は厳密にルールを守るようになっていて、ついでの集荷は断られるようになっています。
追跡記録がない
定形外郵便には配送状況が確認できる追跡サービスはありません(書留をつければ可)。
そのためよくある配送トラブルの原因ともなっています。
「送り主はポストに入れたと言うが1週間経っても届かない」
「受取人に届かないと言われたが確実に送った」
などと、郵便事故があった場合にトラブルになってしまいます。
実際に郵便事故の場合もありますし、受取側が他の郵便物と混ぜてしまい紛失した、または送り主は送ったつもりで発送していない、など様々な原因があります。
このような場合に追跡記録がないため、原因を特定することができなくなります。
@masakatsuchakop
いやー、サイズがメール便出来なかったから、定形外郵便で送って
義さん今日ポスト見たらしいんだけど届いてないらしくて、不在連絡票もなかったらしいの(;^_^A
おかしいよね。住所は間違えてないんだけどな
追跡出来ないの失敗したなー(汗— 志織♄しおりん (@shiori_saturn) 2012年12月27日
差出人は確実に送ったようですが届いていないようです。たまにこのようなトラブルが起きるので利用には注意が必要です。
1kg以上はゆうパックより高くなることも
荷物が1kg以上の場合、定形外郵便はゆうパックより高くなる場合があります。
例えばゆうパックで同一県内であれば60サイズは800円になります。
しかし定形外郵便で2kg以内の料金は1,010円なので割高になります。しかもゆうパックのような配送補償・追跡記録はありません。
そのため同一県内に重い荷物を送る場合はゆうパックと比較をしておきましょう。
他の郵便サービスとの比較
近年は様々な郵便サービスが登場しているので、選択肢が増えています。
「この配送方法の方が安かった・・・」
というようなことにならないよう、似た配送方法をご紹介します。
クリックポスト
クリックポストは全国一律185円で送ることができる配送方法です。
最大サイズは定形外郵便(規格内)と同じで、重さも1kgまで可能です。
定形外郵便(規格内)では100gを超えると205円、250gを超えると350円など重さで料金が高くなってしまいます。冊子は200gや300gなどの重さになることが多く、その場合はクリックポストの方がかなり安くなります。
ただクリックポストはプリンターが必要であったり条件があるので、利用環境がポイントになります。
レターパック
レターパックは郵便局で専用の封筒を購入して郵送できるサービスです。
4kgまで対応していることが特徴で、重たい冊子などを送るのに適しています。
追跡記録がつくこともメリットで、ネットの取引でのトラブルを防ぐことができます。
レターパックライトの場合は360円です。定形外郵便(規格内)だと250gを超えれば380円になってしまうため、重い荷物ほどレターパックライトの方がお得になります。
またレターパックプラス(510円)は封筒を箱型に変形させてもOKです。
箱型にした場合、三辺が40~50cmくらいの容量になります。目安としては漫画単行本が約6~8冊、VHSビデオテープ5本程度が入ります。
漫画単行本を詰めて1kgを超えた場合でも送料は510円です。定形外郵便だと1,020円かかるので、重い荷物はレターパックがお得になります。
ゆうメール
ゆうメールは発送できるものが書籍やCD/DVD類に限られますが、定形外郵便(規格内)より安くなる料金設定にされています。
そのため書籍やCD/DVD類であればゆうメールの方がお得になります。
オプションも選択できますし、定形外郵便では不可だった着払いも可能になります(受取側が手数料21円を払う必要あり)。
まとめ
- 軽い荷物の送料が安い
- 配送補償がないのでゆうパックより安く送れる
- 配送補償・追跡記録が無いのでトラブルに注意
- 重い荷物は基本的に割高となる