ターコネルとは、アイルランドのクーリー蒸溜所が製造し、サントリーが発売しているアイリッシュ・ウイスキーです。
その由来は、1876年のアイリッシュクラシックダービーという当地の大レースで、百倍もの配当をつけて勝った名馬ターコネルから取られたものです。
ターコネルを所有していたのが、当時ウイスキーを造っていたワット蒸留所だったので、こうした形で勝利を長くたたえることにもなったのです。
しかし1925年にはそのワット蒸留所も閉鎖されてしまい、このブランドも長い間日の目を見られなくなってしまいました。
アイリッシュウイスキーが廃れた背景には独立問題でアイルランドがイギリスから分離し、仲がこじれたという重い原因があったため、逆転は非常に難しかったのです。
しかしハーバード大の研究者だったティーリングが衰退したアイリッシュウイスキーの復活のために動き続け、1988年にターコネルを復活させたのでした。
教鞭を取る以外にも様々な手段で収益を得て、ついには別のお酒を造っていたクーリー蒸溜所を買収するという困難を経ての思いがけぬ復刻でした。
その製法は、大麦のみを用いるシングルモルト式、さらには多くのアイリッシュウイスキーでは三度にわたり蒸留をかけるところ、最後の一度を省く独特なもの。
これは強力な蒸留を繰り返すことで香味が飛ぶことを嫌ったからとも言われていますが、確かに蒸留を抑える手法は、日本の麦焼酎にも似ています。
独自の仕上がりを追求して完成したターコネルは、2004年の「インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション」でゴールドメダルに輝きました。
またその後クーリー蒸溜所は幾度も買収されることとなり、2014年以降はサントリーの傘下に入っていることから、我が国としても接点の多い銘柄となりました。
柑橘にも似た香味と大麦由来の甘味がしっかりと残っている比較的飲みやすいお酒で、由来のこともあり祝い酒としては最良とも言えるでしょう。
買取価格は、700mlの「ターコネル」が1,000円ほどとなっています。
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