料理イメージ
ふだんから料理の写真を撮る機会はあると思いますが、実際はなかなか上手く撮れなかったりしませんか?

実は美味しそうな写真を撮るには、使用するレンズ(焦点距離)と光が重要になってきます。

このページではそんな撮影のポイントや一眼レフ初心者でも使えるテクニックをご紹介しています。

料理撮影の設定

ホワイトバランスを設定する

サラダーホワイトバランス2-500

「せっかくの料理が、青っぽくてまずそうに見える」

これはよくある失敗例で、カメラまかせのオートホワイトバランスでは環境により色合いが狂うことがあります。

こんなときはホワイトバランスを「太陽光」「日陰」「曇り」など種類を切り替えて、 料理が美味しく見える色合いに設定します。

実際の操作
ホワイトバランス

サラダーホワイトバランス-500

適正なホワイトバランスになり、美味しそうになりました。

この例では「太陽光」に設定しましたが、撮影する環境によって最適な設定は異なります。

また部屋の照明に合ったホワイトバランスを自分で作成して登録する方法もあります。

実際の操作
ホワイトバランスマニュアル
メーカーごとに操作画面は異なりますが、白い紙や壁にピントを合わせて1枚シャッターを切って登録するだけで完了します。
この設定で撮影すると、同じ照明であればいつでも適正なホワイトバランスで撮影することができます。
ワンポイント解説

撮影後に写真をパソコンに取り込み、画像編集ソフトを使ってホワイトバランスを調整する方法もあります。

フラッシュは使用しない

料理はフラッシュ撮影をすると美味しそうに見えないので、使わずに撮影をします。

(入門者向け一眼レフの場合モードダイヤルに「料理モード」がありますが、フラッシュが動作してしまうので「絞り優先モード」をおすすめします)

料理撮影に使うレンズ

ある程度の明るさがある部屋であれば付属のキットレンズでも撮影は可能です。

ボケ味を大きく出したい場合はF値が1.8や2.8などの単焦点レンズを用意します。

料理撮影に最適な焦点距離は50mm~100mm程度になると思います。

焦点距離の違い

もし焦点距離28mmの広角で近づいて撮影してしまうと、

28mm-3
このように四隅に向かって画像が伸びてしまいます。

これを焦点距離50mmの標準画角で少し距離を空けて撮影すると、

50mm-3
見た目のような画角になりました。

料理撮影では50mm(35mm判換算)以上で撮影をするのがポイントです。
(付属の標準ズームレンズであれば、広角側から2倍くらいズームすると50mmくらいの焦点距離になります)

美味しそうに撮る料理写真のテクニック集

自然光で美味しさ効果抜群

料理写真を美味しそうに見せる最も効果が高い方法は、窓からの自然光を活用することです。

光が当たることで食材が一気に明るく綺麗な色になります。

一般的には後方からの自然光がよいと言われていますが、サイドからの光でも綺麗に見えれば問題ないと思います。

料理自然光-500

(光が強すぎる場合は影が濃くなってしまうので、カーテンで柔らかい光に調整してください)

ボケ量を調整する

F値が小さい単焦点レンズを使えば、背景ボケが表現できて印象的な写真になります。

ケーキ写真(縦)

ボケ部分の色や構図も写真を良く見せるポイントになります。

また横構図だけでなくこのような縦構図もおすすめですが、一眼レフは縦横の比率が3:2なので縦で撮ると縦長になり過ぎると感じる人もいます。

気になる人はカメラの設定で4:3などに変更して撮影しましょう。
(カメラの設定でできなければパソコンの画像編集ソフトで上下をカットできます)

■F値に注意しよう
F値は小さくすることでボケ味が出てオシャレな写真になります。

ただ面積の大きな料理にF値を下げすぎると…

ピンぼけ料理写真

「F1.8で撮影しました。カメラの液晶画面では気づかなかったのですが、パソコンで見るとボケ過ぎでした」

このように一部しかピントが合わないと見づらくなってしまいます。

F値が小さいほどピントが合う範囲が狭くなるので(これを被写界深度が狭いといいます)、料理全体を見せたいならF4.0やそれ以上に設定します。

全体にピントを合わせた写真

このように見せたい範囲にピントが合っているかチェックが必要になります。

(スイーツなど小さめサイズの被写体なら、もともとピントを合わせる範囲が狭いのでF値が小さくても大丈夫です)

プロが使うマル秘テクニックを実践

ケーキ上から撮影
この写真はケーキを単に上から写したものです。

露出(明るさ)もホワイトバランスも特に間違ってはいませんが、なにか物足りない写真ですね。

明るい単焦点レンズを使い、窓からの光を利用した写真を撮ってみます。

<実際の操作>
1.ティーカップを用意し、ケーキに近づける。
2.カメラに単焦点レンズを取り付け、F値を1.8など小さくする。(レンズの焦点距離は50~75mmくらいがおすすめ)
3.ライブビューにする。
4.露出を「+」にする。(あえて明るめの露出オーバーになるよう調整)
5.やや低い位置からカメラを向けて構図を合わせる。(高さや角度は好みで調整)
6.ケーキにピントを合わせ、そのままピントをキープしたまま(フォーカスロック)ケーキを中心より少し右にずらす。(お皿の一部をカットする)

写真フレームケーキ

雰囲気が変わり、プロが撮ったようなオシャレな写真になりました。

他にもランチョンマットでかわいい色を入れたり、ウッドテーブルを使うことでオシャレ感が出ると思います。

ポイントを押さえれば難しくないのでチャレンジしやすいと思います。

マル秘テクニック2

うな丼

こちらは自然光が全く入らない環境での写真です。

「これならスマホで獲った写真と大差ない」

と感じてしまいますよね。

でもこれまでご紹介したテクニックを活用すれば、美味しそうな料理写真に変えることができます。

<実際の操作>
1.レンズの焦点距離を50mm(35mm判換算)くらいに回す
2.カメラをライブビューにする
3.カメラを少し低い位置から料理に近づける
4.露出を少し「+」にする(液晶モニターを見て調整)
5.ホワイトバランスを少し暖かみのある色合いにする(不要の場合もあり)
6.構図に小鉢も入るよう位置を整える。

うな丼2

同じ料理ですが構図・明るさ・ホワイトバランスを調整することで美味しそうに撮ることができました。

ハンバーグもこの方法で撮影すると上手く撮ることができます。多少傾けて撮影するなど変化をつけるのもおすすめです。

ハンバーグ

店内も構図に入れる

内装がオシャレなお店であれば料理と一緒に構図に入れることもできます。

ピザ

料理撮影におすすめの最新モデル

料理撮影に最適な最新モデルをご紹介しましょう。

キヤノン EOS KissX9(一眼レフ)
EOS Kiss X9

ニコン D3400(一眼レフ)
D3400

「お店で料理を撮りたいので、周囲に目立たない小さいカメラが欲しい!」
という人にはミラーレス一眼がおすすめ。

オリンパス OM-D E-M10 Mark III(ミラーレス一眼)
OM-D-E-M10-Mark-III

オリンパス PEN E-PL9(ミラーレス一眼)
PEN E-PL9

パナソニック LUMIX DMC-GX7MK2(ミラーレス一眼)
LUMIX-GX7MK2

パナソニック LUMIX DC-GF10(ミラーレス一眼)
GF10(GF90

ミラーレス一眼はどのモデルもピント合わせが速く、液晶モニターで確認しながら撮れるので便利です。

おすすめ<中望遠>単焦点レンズ紹介

雰囲気のあるボケ味を出したいなら、明るい(F値の小さい)単焦点レンズが必要になります。

キヤノン一眼レフ用

EF40mm F2.8 STM<実売17,000円>
(APS-C機に装着すると64mmの画角)
EF40mm-F2.8-STM

EF50mm F1.8 STM<実売15,000円>
(APS-C機に装着すると80mmの画角)※少し距離を空けて撮るレンズになります。

EF50mm F1.8 STM

キヤノン APS-Cミラーレス用

EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM<実売30,000円>
(APS-C機に装着すると45mmの画角)(F値は小さくないのでボケ味は弱め。マクロレンズとしても使える)
EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM

ニコン 一眼レフ用

AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G<実売28,000円>
(APS-C機に装着すると54mmの画角)
AF-S-DX-NIKKOR-35mm-f1.8G

ニコン1用

1 NIKKOR 18.5mm f/1.8<実売20,000円>
(「ニコン1」に装着すると50mmの画角)
1-NIKKOR-18.5mm-f1.8

ソニー 一眼レフ用

SAL35F18<実売20,000円>
(APS-C機に装着すると53mmの画角)
SAL35F18

ソニー ミラーレス用

SEL35F18<実売40,000円>
(APS-C機に装着すると53mmの画角)
SEL35F18

ペンタックス 一眼レフ用

smc PENTAX-DA 35mmF2.4AL<実売20,000円>
(APS-C機に装着すると53mmの画角)
smc-PENTAX-DA-35mmF2.4AL

HD PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited<実売30,000円>
(APS-C機に装着すると61mmの画角)
HD-PENTAX-DA-40mmF2.8-Limited

オリンパス ミラーレス用

M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8<実売30,000円>
(ミラーレスに装着すると50mmの画角)
M.ZUIKO-DIGITAL-25mm-F1.8

パナソニック ミラーレス用

※オリンパスとパナソニックは同じマウントのため、相互で装着が可能

LUMIX G 25mm F1.7 ASPH.<実売25,000円>
(ミラーレスに装着すると50mmの画角)
LUMIX-G-25mm-F1.7-ASPH.

写真のバックアップはGoogleフォトが便利

Googleフォトイメージ

いつも写真を撮っていると、何千枚、何万枚という枚数になっていてバックアップや管理が大変ではありませんか?

そんなときはGoogleフォトが便利です。一番の特徴は、容量無制限であることです。

どれだけ写真や動画を入れてもOKなので容量を気にする必要はないですし、撮影日ごとの管理や検索機能も充実しています。数年前に始まったサービスなので、まだ知らない人も多いようです。

パソコンからはGoogleフォトページへアクセスするだけですし、スマホは「Googleフォト」アプリで使うことができます。

無料サービスなので未体験の人は一度試してみてください。

Googleフォトの詳しい使い方はこちら

料理撮影をした体験談

woman2

<35歳・女性>
カメラを買ったので、プロみたいな料理写真が撮りたくなりました。上手く撮るにはコツがあるのですね。毎回気をつけていることは構図です。色や明るさはスマホやパソコンで修正できますが、構図だけは無理ですから。私はレストランなど外食でも写真を撮りたいので、周囲に圧迫感のないミラーレス一眼を使っています。

woman1

<24歳・女性>
これまではセンスのない料理写真で日の丸構図になっていました。今は少し斜めにしたり、背景をボカしたり、オシャレに撮れるようになりました。上手な写真の真似をするのも、上達のコツだと思います。

まとめ

  1. 50mm程度の単焦点レンズがおすすめ
  2. 自然光があれば美味しそうに見える
  3. 背景ボケで印象的な写真に
  4. 構図を工夫するとプロっぽい写真に
  5. 周囲のアイテムも大事

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