ネコ写真

<2018/6/8更新>

いつも我が家の愛猫に癒されている飼い主さん。

写真を撮る機会も多いと思いますが、「かわいいのに写真で撮るといまいち」

と上手く撮れないことがよくあります。

猫をかわいく撮るには、ブレ対策とカメラのAF性能が重要になります。

このページではその説明と、一眼レフ初心者でもできる撮影テクニックも紹介しています。

ちょっとしたコツがわかれば写真を撮ってあげるのが楽しくなりますよ。

可愛く撮るカメラの設定

1.絞り優先モード

モードダイヤルは、<絞り優先(A)モード>を使用します。

Aモードダイヤル

室内ではシャッタースピードがかなり遅くなるので、F値(絞り値)を小さくしてシャッタースピードを速くします。

室内液晶画面-ペット

またF値が小さくなるとボケ量が大きくなり、ふんわり柔らかい写真が撮れるようになります。

付属のキットレンズでは最も小さいF値(開放F値)が3.5くらいですが、明るい単焦点レンズであればF2など小さいので大きなボケ味を出すことができます。

F値が小さくなることでシャッタースピードも速くなるので単焦点レンズはおすすめです。
EF-50mm-F1.8

2. ISO感度を上げる

F値を小さくしましたが、まだこれだけではシャッタースピードが遅くブレてしまいます。

そこでISO感度を少し上げてシャッタースピードを速くしておきます。

室内液晶画面-ペット2

先ほどは1/20秒だったので手ブレと被写体ブレ(猫の動きによるブレ)が起きる状態でしたが、ISO800に上げることで1/100秒以上の速いシャッタースピードにできました。

ISOを高くするほどシャッタースピードは速くなりますが、画質が低下するデメリットもあります。

ワンポイント解説

フラッシュは驚かせてしまうので使用せずに撮影します。

ISO感度とは?F値とは??露出の基礎知識はこちらで解説しています

3.AFは中央1点

AFエリアモードには中央1点と、広い範囲からカメラが自動選択する2種類のモードがあります。

猫の撮影では基本的に目にピントを合わせるため、中央1点で目に合わせます。

AFエリア

カメラおまかせの広いエリア選択ではどの部分にピントが合うかわからないので、ペット撮影には適していません。

4.AF-SとAF-Cモードを使い分ける

カメラのフォーカスモードは基本的に「AF-S」「AF-C」「MF」の3種類があります。

AF-S 半押ししている間、フォーカスが固定される。静止状態の被写体に適しています。
AF-C 半押ししている間、被写体にピントを合わせ続けてくれる。動く被写体に適しています。
MF 自分でピントリングを回してピント合わせを行う。ペット撮影など瞬時の撮影には向いていません。

寝ている状態や大きな動きがない状態であれば、AF-Sを使用します。

中央1点で目にピントを合わせた後、半押し状態を続け(フォーカスロックさせて)カメラの位置を整え構図を決め、撮影を行うことができます。

猫が遊んでいる様子を撮るのであれば、動きについていけるようAF-Cにしておきます。
(このAF-CではAF-Sのような構図をずらして撮るフォーカスロックはできません)

ただ急に走るような素早い動きは追いつきませんし、室内ではシャッタースピードが足りないので被写体ブレになってしまいます。

5.露出補正を+に

露出はカメラによって少し明るく写るなど特徴が異なるので一概に言えないのですが、基本は露出補正をプラスにした方が可愛く写ります。

注意点としては、露出補正をプラスにするとシャッタースピードが遅くなるので、手ブレする速度まで落ちていないか確認が必要になります。

光が部屋の照明だけの場合はシャッタースピードが遅くなるので露出補正はプラスにしない方がいいかもしれません。

撮影後にレタッチで明るさを補正することもできます。

(黒猫など毛が黒い猫の場合、カメラは暗いと判断して自動で少し明るく写す傾向があります)

露出補正についての解説はこちら

AFの速いカメラを使う

一瞬のかわいい表情を逃さず撮るにはカメラのAF速度が非常に重要になります。

低い位置から撮れるライブビューは便利なのですが、一眼レフのライブビューAFは少し前のモデルだとかなりAFが遅くなります。

ただ最新モデルではかなり改善されています。

例えばキヤノンのEOS Kiss X9/X9iや9000D、M100はデュアルピクセルCMOS AFが搭載されていて、ライブビューでも高速AFになっています。

ニコンのD3400、D5600も新型のAF-Pレンズをつけることで高速AFが可能になっています。
(交換レンズによっては遅くなることがあります)

ミラーレス一眼の最新モデルも高速AFをアピールしている機種が多く十分なAF性能だと思います。
(同じく交換レンズによっては遅くなることがあります)

かわいく撮るコツ

目線を合わせる

カメラの位置を低くして猫目線で撮影するとかわいく写ります。

ネコ目線

ネコ目線2

低い位置のファインダー撮影は姿勢がしんどいので、ライブビューが便利です。

さらに液晶が上を向く可動式液晶モニター+タッチシャッターの機種がおすすめです。

バリアングル液晶で撮影

最新のエントリー機種ではキヤノンEOS Kiss X9、ニコンD5600、オリンパスOM-D E-M10 Mark III、パナソニックGF9などが可動式モニターかつタッチシャッター方式なので、画面をタッチするだけでシャッターが切れて便利です。

特に低い位置からのピント合わせとシャッターボタンを押すのは難しいため、タッチ操作が役立ちます。

ワンポイント解説

ピント位置はガラスのような目玉よりも上まぶたにピントを合わせた方がカメラとしては認識しやすくピントズレが起きにくくなります。

上まぶたにピント

「瞳AF」という目にピントが合う機能を搭載したカメラが発売されていますが、これは人間の目が対象で猫など動物の目は対象外のようです。

リラックス状態を撮ろう

猫ちゃんがリラックスしている姿はかわいくて癒されます。

かわいい姿を見つけたときにカメラをそっと向けて「パシャリ」と撮ってしまいましょう。

リラックスしている猫

お昼寝の猫

毛づくろいを撮る

毛づくろいしている姿はかわいくて癒されます。

ネコ毛づくろい

撮影の注意点は、ひたすら手を動かしている最中なのでシャッタースピードを速くしないと被写体ブレが起きてしまうことです。

ISO感度を上げて、F値を小さくしてシャッタースピードを速くします。

そして連写撮影すると、ベストな1枚が撮れていると思います。

手がかわいい

手がかわいい瞬間を撮るのもおすすめです。

ネコの手

ネコの手

肉球も癒されます。

肉球

光が当たると目が怖くなる

猫は光が顔に当たると瞳孔が細くなります。

瞳孔が細いネコ

この写真はまだ上手く撮れた方ですが、多くの場合きつい表情になってしまいます。

しかし夜の室内であれば黒目が大きくなりかわいい表情になります。

黒目の大きいネコ

同じ子ですが、かなり表情が違います。

ただ黒目が大きいときはカメラにとっては暗い状況になるのでブレやすく、難易度が高くなります。

日中の屋外なら難しい設定は不要

天気のいい屋外なら明るいのでシャッタースピードが速く、ブレる心配はありません。

構図やタイミングに集中して撮影ができます。
(屋外ではシャッタースピードが速くなり過ぎるためF値を小さくできないことがあります)

明るいので大きな黒目にならないデメリットはありますが、写真としては綺麗に仕上がります。

明るい屋外のネコ写真

猫はカメラの音が嫌い

■シャッター音
猫はカメラを向けたりシャッター音が鳴ると嫌がって離れてしまうことがあります。

これは筆者の経験ですが、一眼レフよりミラーレスの機械のようなシャッター音の方が逃げてしまうケースが多いです。

こんなときは一部の機種で使用できるサイレントシャッターが便利です。

例えばオリンパスのE-M1では静音モード設定をすることでサイレント撮影が可能になります。
静音モード設定

(照明の暗い室内で発光されるAF補助光が光る場合はAF補助光もオフにしておきます)

もしこれからペット撮影用にミラーレス一眼を購入する予定であれば、無音シャッターができるかどうかチェックしてから購入しましょう。

<現行モデルでサイレントシャッターが可能な機種>

※2019年9月現在

ソニー α6500、α6400、α6300、α7III、α7RIII、α7SII、α9
キヤノン EOS Kiss M(シーンモードのみ)、EOS R、EOS RP
ニコン z7、z6
オリンパス E-M1 Mark II、E-M5 Mark II、E-M10 Mark III(APモードでのみ可)、PEN E-PL9
パナソニック GX7MK3、GX8、G8、GF10など全機種(旧機種も主に対応)
ペンタックス KP(ミラーアップ音は発生)
ワンポイント解説

サイレントシャッターは照明の種類によりフリッカー問題(写真に縞模様が出る現象)が発生するので、なるべく照明の下から離れて撮影することをおすすめします。

ワンポイント解説

一眼レフで無音シャッターができるのはニコンD850などになります。キヤノンD80などにあるソフト撮影も比較的静かです。ただ多くの一眼レフにある「静音撮影」機能はシャッター音が少し抑えられる程度であまり音の大きさは変わりません。

■AF音
レンズの「ジー」というAF音も不快に感じる猫が多いので、AF音がするレンズは避けた方がいいと思います。

また室内では赤いAF補助光が発光してびっくりさせてしまうので、設定画面から補助光をOFFにしておきます。

愛猫が上手く慣れてくれれば、このようなカメラ目線も撮れるようになります。

カメラ目線の猫写真

写真のバックアップはGoogleフォトが便利

Googleフォトイメージ

猫ちゃんの写真を撮っていると、いつの間にか何百枚、何千枚という枚数になっているのではないでしょうか。

写真の保存・管理はGoogleフォトが便利です。一番の特徴は、容量無制限です。

何万枚の写真や動画を入れてもOKです!数年前に始まったサービスなので、まだ知らない人も多いようです。

パソコンからでもスマホからでも保存できるので、こちらにまとめて管理するのもおすすめです。

Googleフォトの詳しい使い方はこちら

ペット撮影をした体験談

woman1

<27歳・女性>
前のミラーレスカメラのシャッター音が大きかったので、無音撮影ができるパナソニックのGF9に買い替えました。低い位置でも液晶モニターの角度を変えられますし、液晶モニターをタッチするだけでシャッターが切れてとても便利です。
まだ付属のレンズなので、大きなボケ味が出せるレンズも購入してみようと思います。

まとめ

  1. 撮影モードは絞り優先
  2. 室内ではISOとF値の設定がポイント
  3. ピントは上まぶたを狙う
  4. 基本はペット目線で
  5. 明るい昼間の窓際がおすすめ

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