雪氷室 一夜雫とは、北海道の高砂酒造株式会社が醸造していた日本酒の銘柄です。

高砂酒造は、明治中期の創業で、北海道の旭川、日本全体からしても極寒とされる地域に蔵を構えました。

当時、開拓もひと段落し、造酒ができる環境が生まれつつありました。

しかし、やはり北海道では稲作が難しい部分があり、また、北陸よりもさらに気温が低いというネックもあったため、満足行くレベルの造酒は簡単ではありません。

そこで北海道の蔵元は技術交流など研鑽を重ね、大正末期には全国鑑評会で金賞を受賞します。

昭和の初期には鉄筋の工場を設けるなど、時代の先端を行っていたこの蔵元が、平成二年、まったく新たな挑戦に打って出ます。

豊富にある雪で氷室を作り、その中にお酒を貯蔵しようと構想を立てたのです。

しかも、酒袋を吊るし、自重で落ちてくるのを待つ極めて伝統的な方式を採用するなど、見た目だけではない良さを追求してもいます。

努力や工夫だけではなく、際立った寒さという造酒には厳しい環境を逆に利用したこのお酒は、ロマンチックさもあって大変な人気を呼びました。

極めて低音なため、雑菌の繁殖を気にせずに済み、しかも氷のコンディションが微妙に変化する中で、最低限の水分や湿度なども保証されてもいました。

こうした雰囲気と実用を兼ね備えた中で造り上げられたお酒は、柔らかく甘く、しかし温度の変化によって表情を豊かに変える逸品と絶賛されました。

もちろん昔ながらの「吊るし」を行うことは、かなり難易度が高いものですし、温度が低く氷に囲まれている雪氷室の中であればなおさらでしょう。

全国的な媒体にも幾度も取り上げられるなど、努力に見合うだけの素晴らしいお酒だったことは確かだったはずです。

しかし、急速に進む地球温暖化の影響を受けて、2016年限りで生産を終了してしまい、現在に至っています。

まだ残された貴重な「雪氷室」を復活させるには、環境問題の改善が不可欠というのが現実なのかも知れませんね。

買取価格の上限は、「雪氷室 大吟醸」が1,400円ほど、「雪氷室 純米大吟醸」が1,800円ほどになっております。

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1,リサイクル店の査定額は安い

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