麹屋伝兵衛は、大分県の日田にある老松酒造株式会社によって造られている焼酎です。「田吾作」や「国産麦造り」が有名な老松酒造の高級モデルとなります。
老松酒造は、江戸の後期から酒造り、とりわけ現代に至るまで様々な焼酎を造ってきました。これは大分の日田という土地柄が影響しているとも言われています。
明治維新の震源地になったことからも分かるように、徳川から距離があり、強力な大名たちが数多くいたのが九州という土地柄です。
当然、幕府の監視もきつかったのですが、日田は幕府の直轄、天領だったので年貢が安く、酒造りをする余裕があったというわけですね。
また軽い年貢のため文化的に豊かになったことで、酒造文化が磨かれたという点も当然あったものと思われます。
そうした歴史的な背景に加え、米と水に恵まれた九州の自然と向き合い誠実に酒造りを行ってきた老松酒造が世に出したのが、この麹屋伝兵衛です。
江戸時代に初めて麦焼酎を造ったとされる伝兵衛の名前を冠し、選び抜いた原料に白麹を加え、風味が活きる低温発酵を施します。
しかし野性味を活かすだけでなく、蒸留を二度に分け、しかも常圧と減圧という異なる方法を用いてもいます。
これにより風味を活かしつつ悪い癖を矯正するというギリギリのところでバランスが取れ、最善のコンディションになった焼酎ですが、まだ完成ではありません。
さらに五年という長い月日をかけてじっくりと寝かせ、角を完璧に丸くしてしまうのです。優れた才能を持つ芸術家の感性を待つような細心さが感じられます。
この仕事を可能にしたのは、ひとえに、徹底的に伝統的製法にこだわる老松酒造の誠実な姿勢があったからこそと言えます。
色味から香り、風味まで他の焼酎とはまったく一線を画するお酒だけに、ロックでじっくりと楽しむことが推奨されているようです。
買取価格としては、通常モデルの「麹屋 伝兵衛」が500円ほど、陶器ボトルに箱入りの「麹屋 伝兵衛」が3,000円ほどとなっています。
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