川越は、宮崎県の川越酒造場が造っている焼酎です。幕末からの創業で、焼酎造りに取り組んできました。
その特色は、昔ながらの着実かつ誠実な手法と、原料に関するこだわりを挙げることができます。
第一に、焼酎に使うお米は地元のものではなく、タイからの輸入品です。海外産のお米というのは、あの平成の大冷害の時には顕著でしたが、評判は良くありません。
ただ現実には、高温多湿の東南アジアは米にとって最良の環境で、時に二毛作ならぬ三毛作、年に三回も収穫ができるほどお米にエネルギーが入ります。
加えて、日本焼酎的な蒸留酒の源流に位置する地域でもあります。
したがって、直食はともかくとして、原料として利用するには申し分なく、国境を越えても質を求めるだけの価値は十分にあるのです。
酒造りは明治の頃に建てられた蔵を使い、備前焼のかめを使っての仕込みに挑んでいます。
釉薬を使っていない備前焼は、土の微妙な隙間から、酒中の微生物や菌たちが「呼吸」することができ、現代的容器に入れるのとは違う成熟が可能なんですね。
さらには瓶詰めからラベル貼りまですべてを手作業で、まさに精魂込めて完成させていきます。
そうして、原料酒造ともに力を尽くして世に出ることになる川越は、香りもきつ過ぎることはなく、味わいも端正ですっきりしています。
パワー系の焼酎とは違い、お酒好きだけでなく、まだ焼酎を飲み慣れていない方や、お酒にさほど強くない女性にも向いています。
一方で、素材から選び抜いたことで得られる器量の大きな、深みのある旨みがあり、飲むほどに通をも唸らせる潜在能力が発揮されていきます。
様々なシチュエーションに合わせて楽しむことができますし、割ってもおいしいので、体調や体質により度数をチョイスできるのもありがたいところ。
地酒というだけにとどまらず、全国的に評価されるポテンシャルを有している逸品と言えるのではないでしょうか。
買取価格としては、1800mlの「川越」が1,500円ほどになっています。
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