マスターエースサーフは、トヨタ自動車が製造、販売していたミニバンタイプの自動車です。
登場したのは、1982年。折からのバンタイプの自動車の流行を受ける形で、さらに質を追求するというコンセプトで開発されました。
乗用と商用が同じブランド、ほぼ変わらない設計と仕上げて作り出されていたのが当たり前というバンを取り巻く状況の中で、意識的に質が高められていきました。
特に1988年にモデルチェンジがなされてからは、グッと高級バンという雰囲気になり、ボディラインも実にスッキリとしたものになっていますね。
フロントから見ることができる「顔付き」に関しても、非常にスマートなものになっており、良い意味で商用車離れした雰囲気が漂っています。
内装は、ついつい悪路走破を考えないミニバンですと、できるだけ簡素に、ということだけを考えて調整してしまいがちですが、この車には当てはまりません。
パネルデザインも、ごく自然に曲線が持ち込まれており、商用車とはまた違う「遊び心」が前面に出ているのも嬉しいですね。
もちろん車内スペースは極めて広く、対面式にシートを動かすこともできるなど、その仕上がりの良さはまるで自室にでもいるかのような自由度の高さがあります。
搭載されているエンジンは、1.8lの、ミニバン車としてはややコンパクトなものですが、非力な雰囲気はまったくありません。
どこかの現場に行くというよりは皆で旅行に行こうかという車ですので、アップダウンに強い、機敏な動きが求められますが、その部分にも問題はありません。
スポーツカーのようにグイグイと攻めていくのは完全に不向きですが、遊びを楽しくしてくれるという性質が強く、明るい思い出が絡むことが多い車とも言えます。
熾烈になっていた各社のミニバン競争の中で、比較的早期に発売終了となってしまいましたが、いかにもタフで「らしい」車なだけに、現在の人気はむしろ高いようですね。
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