人気ミラーレス一眼のオリンパスPENシリーズから新製品「PEN E-PL9」が発売されました。
PENシリーズはデザイン性の高さと画質の良さでランキングでも常に上位に入るシリーズとなっています。
前モデル「E-PL8」も良い機種でしたが、「E-PL9」はBluetoothや静音撮影など最新の便利機能を追加してあります!
また画質向上が期待できる改良も行われています。
このページでは前モデル「E-PL8」との違いや進化ポイントを、比較表と合わせてご紹介しています。
外形寸法の比較
E-PL9の外観
前モデルE-PL8から変わった点はグリップが大きくなって手にフィットする形状となり、フラッシュが内蔵されたため背面左上にフラッシュボタンが追加されています。
個人的には前モデルのデザインは好みでしたが、小さいグリップピースよりも今回の大きなグリップがある方が持ちやすいです。
いずれにしてもオリンパスのPENシリーズはフィルム時代の「オリンパス・ペン」のデザインを受け継ぎながら、上品さもある魅力的なシリーズだと思います。
背面のメイン操作部分はカラー変更が少しありますが、ボタン配置は変更されていないようです。
カラーバリエーション
前モデルに続き、ホワイト・ブラック・ブラウンの3色展開となっています。
パナソニックの入門機GFシリーズも同じこの3色展開となっていて、男性にも女性にも好まれやすいカラーバリエーションに感じます。
E-PL8より向上したポイント
「TruePic VIII」採用
写真の画質に大きな影響を与える映像エンジンが、オリンパス最上位モデルのOM-D E-M1 Mark IIと同じ「TruePic VIII」になりました。
「暗い場所でも手持ちで画質低下をおさえて写真を撮りたい」
という人には高感度画質の向上が期待できる進化となっています。
現時点では情報がまだないので予想になりますが、最上位の画質には届かないものの、これまで頭打ちになっていた高感度画質が少しでも向上しているかもしれません。
映像エンジンはカメラ内部で写真データを完成させるコンピュータのような部分になります。よくデジタルカメラの脳とも例えられ、この映像エンジンが進化することで画質の向上が期待できるパーツになります。
4K動画
4K動画に対応し、きめ細かく美しい動画を撮影することができるようになりました。
今や4K動画は各社ミラーレス機のブームのような機能になっていて、このE-PL9でも導入されることになりました。
4K動画でもボディ内3軸手振れ補正が効くため、手持ちでもなめらかな動画を撮ることができます。
連写とAFエリア
前モデル「E-PL8」は約7.4コマ/秒でしたが、「E-PL9」は約8.6コマ/秒と連写速度が向上しました。
性能アップは嬉しいことですが、約1コマの連写枚数であれば体感的には違いはわかりにくいかもしれません。
またAFエリアは81点から121点へ増えています。エリアは広がりましたが、この機種はコントラストAFであるため動く被写体へピントを合わせ続ける追従性能は高くありません。
そのため列車や走る犬などの動体撮影は、このクラスの機種ではまだ荷が重いと思います。
新機能
「E-PL9」に新たに追加された機能をまとめています。
Bluetooth対応
便利なBluetoothに対応しました。
これにより「スマホへ転送したいけどWi-Fiで接続する作業が面倒」
という不満が解消しました。
カメラを操作することなくスマートフォンからカメラにアクセスして写真を転送することができます。
カメラとスマートフォンはBluetoothで常時接続されていますが、電力は弱いためバッテリーに与える影響は少ないとのことです。
写真を撮った帰りにスマホへ転送する使い方が便利で、いい写真をインスタへアップロードしたり、友人にLINEで送ることができます。
※この機能は以下の設定時に使用できます
[Wi-Fi/Bluetooth]:[On]
[バックグラウンド通信]:[On]
静音撮影
上位モデルで評判の良かった静音撮影がPENシリーズにも採用されました。
「シーンモード」または「アドバンストフォトモード」で「静音撮影」が選択できます。
「赤ちゃんを起こさないように撮りたい」
「猫がシャッター音を嫌がるので消したい」
というような場面で活躍します。
また周囲が静まりかえった演奏会や展示会などでも、シャッター音を鳴らさずに撮影できます。
サイレントシャッターはフリッカー問題(蛍光灯のチラツキによって写真に変色や縞模様が出る問題)が発生しやすくなるので、自然光が入らない蛍光灯下での撮影にはあまり向いていません。
アドバンストフォトモード
上位モデルに採用されているアドバンストフォトモードが使用できるようになりました。やや上級者向けの機能になります。
モードダイヤルのアドバンストフォト(AP)モードを選択すると、16種類の様々な撮影機能が使えるようになります。
例えば「ライブコンポジット」はカメラが連続撮影を自動で行うよう設定し、最後に1枚の画像として完成してくれる機能です。これにより星空の光跡写真や高い場所から車のテールランプが流れるような写真を撮ることができます。
「ライブタイム」は0.5秒間隔のコマ送り映像を見ながらシャッターを切ることができる機能です。
花火撮影では実際に見ているとシャッターボタンを押したり離したりするタイミングが難しいのですが、「ライブタイム」ならゆっくり動くように見えるのでタイミングがわかりやすくなります。
実際に上位モデルのOM-D E-M10 Mark IIを使って花火をライブタイムで撮影しましたが、目視よりもシャッターボタン(スマートフォンの遠隔操作)を押すタイミングがわかりやすかったです。
(ただ口コミではこの機能は撮りにくいという意見もあり、好みで分かれるようです)
花火が打ち上がって開く前にシャッターボタンを押し、ライブタイムの映像で開いた花火が消えかける時に再度シャッターボタンを押せば上手く撮影できました。
このようにアドバンストフォトモードは本来は難易度が高い撮影を簡単に利用できる機能となっています。
アートフィルター
このPENシリーズではアートフィルターという写真の加工機能が備わっています。
「映画のような印象的なシーンのように撮ってみたい」
という人にはおすすめの機能です。
例えば「ファンタジックフォーカス」はふんわりと明るい写真に加工してくれます。カフェや雑貨などオシャレな物を撮るとより雰囲気が出ます。
「トイフォト」は周辺部が暗くなり、覗き穴から見ているような印象的な写真になります。
「ポップアート」は色を極端に鮮やかにしてくれる加工です。なにか色鮮やかな被写体を見つけたら、ポップアートを使うことでよりインパクトのある写真になります。
そしてこのE-PL9からは「ネオノスタルジー」が追加されました。暗い部分を緑寄りにした、ノスタルジックな写真に仕上がります。
どの機能も印象深くて面白い写真になるので、インスタ映えを狙うにはおすすめの機能です。
内蔵フラッシュ
前モデルではなかった内蔵フラッシュが背面左上ボタンから使用できるようになりました。
フラッシュは暗い場所で被写体を明るく写すのに効果的ですが、実は昼間でも役立ちます。
「昼間に友達を写したら影になってしまった」
という経験は多くの人があるのではないでしょうか?
こんな場合はフラッシュを炊くだけで解決します。昼間にフラッシュを炊くのは違和感があるかもしれませんが、暗く写った人物を簡単に明るく写すことができます。
フラッシュの光が届くのは数mなので、その範囲にある逆光の被写体に活用できるのでおすすめです。
ハイスピード撮影
スローモーションのようなハイスピード撮影(1280 × 720)に対応しました。
三脚を使ってゴルフのスイングチェックができたり、花火のスロー映像やスポーツのスロー映像などアクティブに活用できます。
共通機能
「E-PL8」と「E-PL9」で共通している機能をまとめています。
ボディ内3軸手振れ補正
ボディ内3軸手振れ補正が角度ぶれ・回転ぶれに効果を発揮します。
レンズ側手振れ補正を採用するメーカーだと、手振れ補正がないレンズを購入すると当然手振れ補正機能はない状態で撮影することになります。
しかしオリンパスのようにボディ内手振れ補正を採用している場合、どのレンズを購入しても常に手振れ補正が働くというメリットがあります。
静止画だけでなく動画でも働き、手持ち動画のブレを最小限に抑えてくれます。
「では上位モデルの5軸手振れ補正ほどは効かないの?」
と3軸手振れ補正の効果が知りたくなるかもしれません。
3軸が5軸と違う点は、並進ぶれが付いていないことです。並進ぶれは被写体が極端に近いマクロ撮影で起きる手振れになります。
そのためマクロ撮影をあまりしない人には3軸手振れ補正でも十分手振れ補正効果が体感できることになります。
タッチシャッター
指で触れるだけでシャッターが切れる簡単操作ができます。
カメラ初心者にも便利ですし、上級者でも一瞬の撮影チャンスで素早くシャッターが切れるので便利です。
特に低い姿勢で撮る場合は体をしゃがめて手首を曲げてシャッターボタンを押すことになるのでしんどいです。そんなときでもしゃがまずに液晶モニターを上に向けてタッチするだけで簡単に撮影ができます。
スマホでカメラをリモコン操作
オリンパスの専用アプリ「OLYMPUS Image Share」を使うことで、スマートフォンからカメラのシャッターを切ったり、動画撮影の操作をすることもできます。
少しのブレも影響する夜景撮影や花火撮影に役立ちます。
(E-PL9は別売リモートケーブルは非対応になります)
タッチセルフィー
液晶モニターを下にずらすと液晶が下へ反転して自撮りができるようになります。
液晶画面に3枚撮影するセルフタイマーボタンも表示されて便利です。
「E-PL9」と「E-PL8」のスペック比較表
※性能の高い方を青文字で表示しています
機種名 | E-PL9 | E-PL8 |
---|---|---|
発売時期 | 2018年3月9日 | 2016年11月18日 |
マウント | マイクロフォーサーズ系マウント | |
イメージセンサー | フォーサーズ | |
画像処理エンジン | TruePic VIII | TruePic VII |
画素数 | 有効1605万画素 | |
ISO感度 | 200~6400 | 200~1600 |
拡張ISO感度 | 100~25600 | |
AFエリア | 121点 | 81点 |
シャッタースピード | 1/4000~60秒 | |
電子シャッター(静音撮影) | 1/16000?60秒 | – |
連写 | 最高約8.6コマ/秒 | 最高約8.5コマ/秒 |
手ブレ補正 | ボディ内3軸手振れ補正 | |
動画性能 | 4K・フルHD | フルHD |
ステレオマイク | ○ | |
液晶モニタータイプ | チルト式タッチパネル液晶 | |
液晶モニター画素数 | 3インチ (約104万ドット) | |
防塵防滴仕様 | – | |
AF測距検出範囲 | – | |
測光範囲 | EV -2~20 | |
内蔵フラッシュ | ○ | – |
アドバンストフォトモード | ○ | – |
電子水準器 | ○ | |
別売リモートケーブル対応 | – | ○ |
セルフタイマー | 12秒、2秒、カスタマイズ | |
通信方法 | Wi-Fi・Bluetooth | Wi-Fi |
幅 | 117.1mm | 117.1mm |
高さ | 68mm | 68.3mm |
奥行き | 39mm | 38.4mm |
重さ(バッテリー、メモリーカード含む) | 380g | 374g |
撮影可能枚数 | 約350枚 | |
バッテリーパック | BLS-50 | |
USB充電 | – |
E-PL9はこんな人におすすめ
「E-PL9」はミラーレスで流行りのBluetoothや4K動画機能が備わったモデルとなっています。
コンパクトカメラからステップアップしたい人、最新の初心者向けミラーレス一眼が欲しい人におすすめです。
また女性に嬉しい自撮り操作も簡単になっています。
一方で新機能をあまり使わない人は前モデル「E-PL8」も候補に入ると思います。
「E-PL8」は新モデルが出たことで価格が下がり、2万円程度安く購入ができます。
E-PL9のメリット
- Bluetoothでスマホへの転送が簡単
- サイレントモードあり
- 上位機の映像エンジン搭載
- 4K動画に対応