2018年2月下旬にパナソニックのミラーレス一眼「DC-GF10/GF90」(以下GF10)が発売になります!
前モデルの「GF9」はデザイン性の高さや女性に嬉しい美肌機能が人気でした。
新モデルの「GF10」の一番の特徴は、さらに進化した自撮り機能になります。
このページでは「GF10」と前モデル「GF9」を比較表を見ながら検討できるようになっています。
それではご紹介していきます。
(正式な型番は「DC-GF10」と「GF90」の2種類になっていますが、地域によってどちらかの型番が販売される方式になっています。このページではややこしいのでGF10の名前を使用しています。)
外形寸法の違い
- GF10/GF90
<幅 106.5mm x 高さ 64.6mm x 奥行 33.3mm> - GF9
<幅 106.5mm x 高さ 64.6mm x 奥行 33.3mm>
GF10の外観
基本は前モデルGF9と同じボディになっていて、縦横のサイズも全く同じです。
ただGF10は前面にグリップピースがついていて、指がかかりやすいようになっています。
カラーバリエーション
GF9ではオレンジ・シルバーの2色展開でしたが、GF10はオレンジ・ホワイト×ローズゴールド・ブラックの3色展開になっています。
特に「ホワイト×ローズゴールド」は品のある配色でエレガントな女性をイメージしたようなデザインになっています。
オレンジも可愛い色ですが、新たに女性らしさのある新色が登場しました。
また「ブラック」はボディカラーを全てブラックで統一して高級感を重視しています。
男性でもコンパクトで高画質なカメラを求めている人に使いやすくなっています。
GF9より向上したポイント
グリップピース
小型ミラーレス機ではあまり採用されていない、グリップピースが取り付けられています。
小型カメラとはいえレンズをつけると400gほどになるので、指が引っかかる方が持ちやすく安定して撮影ができます。
ただ実際に持ってみましたが、ボディはかなり小型なので男性の手ではグリップピースに指をかけにくい気がします。持ちやすさを体感できるのは女性になりそうです。
夜景セルフィーモード
高速連写+フラッシュ撮影を行い、背後の綺麗な夜景と人物を合成して1枚にできる機能です。
通常は夜にフラッシュを使って自撮り撮影をしても、
「自分は明るく写っても背景は真っ暗」
という写真になってしまいます。でも夜景があれば一緒に写したくなりますよね。
そこでこの夜景セルフィーモードを使うと、フラッシュで人物を撮影したと同時にフラッシュなしで夜景向けのシャッターを切り、その2枚を合成して人物と夜景が綺麗に写る写真にしてくれます。
夜でも自撮りができるので活用の幅が広げてくれる機能です。
ビューティ効果(美肌・スリム)
ビューティー効果は前モデルGF9でもついていて評判の機能でしたが、撮影するには自撮り用の液晶反転が必要でした。
GF10からは通常撮影でもビューティ効果が働くので、お友達を撮影する場合にも活用できます。
広角4Kセルフィー
自撮りの4Kセルフィーが24mm広角レンズにフル対応しています。通常のカメラは広角でも28mmのため、写る範囲に限界がありました。
例えば「腕をいっぱいに伸ばしても友達が半分入らない」
というような経験はないでしょうか?
自分だけの自撮りなら問題なくても、友人がいるとフレームにおさまらなくなってしまうことがあります。
しかしこの広角4Kセルフィーなら24mmという広い画角で写るので、複数の人や後ろの風景までフレームにおさめることができます。
連写をする場合でも1秒間に15枚という高速連写ができるのでベストな1枚を残すことができます。
また家族と一緒に写真を撮る場合にも非常に便利です。子供たちどの思い出写真が簡単に撮影できます。
共通機能
GF9とGF10の共通機能をまとめています。
ダブルレンズ
GF10には24mm-64mm(35mm判換算)のズームレンズと、50mm(35mm判換算)単焦点レンズがセットになっています。
ズームレンズは広角の24mmレンズが広い風景や自撮りに活躍します。
このズームレンズは広角側が広く写りますが、デメリットとして望遠側が弱くなっています。焦点距離64mmなので、通常のコンパクトカメラの2倍ズームと同じくらいまでしかズームができないことになります。
焦点距離50mmとして使える単焦点レンズは標準画角で使いやすく、街中のスナップ用途や料理撮影、雑貨撮影などに最適です。F値は1.7と非常に明るいレンズであることも特徴です。
「iPhoneでは撮れない綺麗な背景ボケ写真が撮りたい」
という人でも、F1.7なら大きなボケ量を楽しむことができます。
このレンズの注意点としてはズームが全くできない単焦点レンズであるため、構図の決め方は体の位置を前後に動かす必要があります。
コンパクトカメラからステップアップした人には慣れないかもしれませんが、難しくないので大丈夫です。単焦点レンズが扱えるようになると一眼カメラの楽しさがわかってくると思います。
またこの単焦点レンズは手振れ補正機能がないことも覚えておきましょう。シャッタースピードが1/50秒より遅くなったら(例えば1/30秒など)手ブレが起きやすいです。
約0.07秒の超高速AF
パナソニック独自の空間認識技術を用いたオートフォーカスで、0.07秒の超高速AFが使用できます。
実際に使った体感ではシャッターボタンを半押しすると同時に「ピピッ」とピントを合わせをしてくれる速さでした。これは使っていて非常に気持ちがいいです。
カメラのメーカーごとに得意不得意な分野がありますが、パナソニックはオートフォーカス技術が高いと評価されているので初心者でも楽に撮影ができると思います。
「ペットのかわいい一瞬の表情を撮りたい」
「子供をたくさん撮るのでピント合わせが速いカメラが欲しい」
という人にはGF10はおすすめです。
高い追従性能
パナソニックのミラーレスは入門機から上位機と同じ空間認識技術を採用しています。
公園で走る子供や車、列車など、動く被写体へピントを合わせ続ける性能が高くなっています。
他メーカーでは入門機に高性能な追従性能を取り入れている機種はほぼないので、このクラスでは異例の性能の高さになっています。
動く被写体を撮る場合は、「メニュー→撮影→フォーカスモード」で「AF-C」を選択しておきます。
まだ列車など動く被写体の写真を撮ったことがない人でも、このGF10でチャレンジしてみるのも楽しいと思いますよ。
動き回る子供の撮影にも活用できると思います。
4Kフォトモード
パナソニック自慢の4Kフォトモード(800万画素)は、1秒間に30コマの連写ができる機能です。
しかも長時間連写をすることができるので、連写時間を気にせず一瞬を捉えた写真を撮影できます。高価な一眼レフでも通常連写は1秒間に10枚もないので、1秒で30枚も撮影できるのはすごい機能です。
例えばペットの犬が遊んでいる一瞬や、猫が毛づくろいをしている一瞬のかわいい表情を撮ることができます。
注意点としては、動きの一瞬を捉えるにはシャッタースピードが速くないとブレ写真になってしまいます。
シャッタースピードは明るい屋外であれば1/500秒や1/1000秒くらいになるのでまず問題ありません。曇りの日は少し遅くなりますがある程度はブレずに撮れると思います。
ただ室内の蛍光灯下では1/50秒などシャッタースピードは極端に遅くなってしまうので、4Kフォトモードは生かせないかもしれません。
Wi-Fi対応
撮影した写真はWi-Fi経由でスマートフォンへ転送することができます。
使い方はGF10のメニュー画面からWi-FiをONにします。次にスマートフォンのWi-Fi一覧画面で、GF10のSSIDを選択すると接続できます。
「SDカードを抜いてパソコンに取り込む作業が面倒」
という人でもWi-Fiならカードを取り出すことなくスマートフォンへ転送できます。
スマホへ転送後はすぐにLINEで撮れた写真を送ったり、ツイッターやインスタにアップロードできるので便利です。
またWi-Fi接続後はスマホをカメラのリモコンシャッターとしても使用できます。夜景撮影のブレ防止や、集団撮影の際のリモコンシャッターとして活用できます。
サイレントモード
完全に音が消えるサイレントモードを選ぶと、無音でシャッターを切ることができます。
ぐっすり寝ている赤ちゃんの撮影、周囲が静かな会場・ステージでの撮影でサイレントモードが役立ちます。またシャッターの音が嫌いな猫にも、ストレスを与えることなく撮影ができます。
サイレントシャッターはフリッカー問題(蛍光灯のチラツキによって写真に変色や縞模様が出る問題)が発生しやすくなるので、自然光が入らない蛍光灯下での撮影にはあまり向いていません。
タッチシャッター対応
液晶モニターに指で触れるだけでピントを合わせたりシャッターを切ることができます。
G10はAFが高速なので、液晶画面に触れた瞬間にシャッターが切れてくれます。非常に簡単で使っていて楽しいので、カメラ初心者の人にはぜひ使ってもらいたい機能です。
特に低い位置から撮影する場合はシャッターボタンを押すのに手首を曲げたりしゃがむ必要があるので姿勢がきつくなります。
その場合でも液晶モニターの角度を上に向け、画面をタッチするだけでシャッターが切れるのでとても楽に撮影ができます。
おまかせiA
おまかせiAはカメラおまかせの撮影機能になります。
「いいカメラでもコンパクトカメラのようにおまかせで撮影したい」
という人におすすめです。
風景・夜景・顔認識・赤ちゃん認識など様々なシチュエーションに合わせて最適なモードをカメラが自動で設定してくれます。
Wシャッター
通常シャッターボタンは右側に一つあるだけですが、GF9・GF10は左側に自分撮り用のシャッターボタンがあります。
このボタンがあると、自分撮りの際に右手でシャッターボタンを押せるので楽に写真を撮ることができます。
撮影はカウントダウンが表示されるのでポーズを決めて撮ることもできます。
自分撮りフィルター
通常撮影だけでなく、自分撮りの際にもフィルター効果をかけることができます。
肌をなめらかに写す「美肌効果モード」、10段階から顔を細く見せる「スリムモード」などがあります。
クリエイティブコントロール
クリエイティブコントロールはレトロ・モノクローム・ポップ・トイフォトなど22種類の中から遊び心のあるオリジナル写真に加工できるモードになります。
「ひと味違う印象的な写真にしたい」
という場面ではモードダイヤルを回してクリエイティブコントロールに切り替えてみてください。
モノクロ写真にこだわりたい人には柔らかいモノクロ、粒子感のある荒いモノクロ、コントラストの高いメリハリあるモノクロを選ぶことができます。
風情ある下町の雰囲気をアップさせる「オールドデイズ」、トイカメラのような「トイフォト」、淡くて優しい写真になるポートレートにおすすめの「ファンタジー」があります。
また「クロスフィルター」は夜景の光源をキラキラさせる効果があります。イルミネーションにも最適です。
クリエイティブコントロールは液晶画面でその効果をリアルタイムで確認でき、効果を微調整することもできます。
フォトスタイル
クリエイティブコントロールは写真の加工機能でしたが、フォトスタイルは主に色の濃さやメリハリの強さを変更できるモードになります。
例えば風景や紅葉をより鮮やかに撮りたい場合は「風景」を選択します。さらに鮮やかな設定の「ビビッド」も用意されています。
少しややこしいのですがフォトスタイルにもモノクロームがあります。こちらの「L.モノクローム」は加工目的ではなく、本格的な階調豊かなモノクロ写真を撮影することができます。
クリアレタッチ
写真にいらない景色や人物が写っていても、不要部分を加工処理で消すことができます。
不要部分を消すというのは魔法のような機能ですが、実際は別の似た背景部分をコピーして不要部分に重ねる加工になります。
そのため重ねても違和感のない部分があれば、指でドラッグすることで消えたように見せることができます。
16M Live MOSセンサー
GF10は1600万画素と高画素になっています。センサーはローパスフィルターレスのため、従来より綺麗な写真を撮ることができます。
数年前までは高価な上位機に導入されていた技術ですが、GF10のような入門機でも採用されるようになりました。
網戸のような規則性のある被写体が写ると発生する、縞模様のモアレや色のにじみを防止するフィルターになります。このフィルターは写真の解像感を落としているとして、近年は外しているカメラが増えています。
ファンクションボタン
ファンクションボタンが液晶モニター内を含めて8つ用意されています。
自分がよく使う機能をファンクションボタンに配置しておくと便利です。
サイレントシャッターやISO感度はメニュー内に入ってしまっているので、このような機能をファンクションボタンに割り当てると便利です。
USB充電
カメラ本体にUSBケーブルの差し込み口があります。旅行先でモバイルバッテリーからでも充電することができます。
ただUSBケーブルはAndroidスマホのケーブルなので、iPhoneの人はモバイルバッテリーからGF10を充電するならUSBケーブルが必要になります。
「GF10」と「GF9」のスペック比較表
機種名 | GF10 | GF9 |
---|---|---|
発売時期 | 2018年2月22日 | 2017年1月19日 |
マウント | マイクロフォーサーズ系マウント | |
イメージセンサー | フォーサーズ | |
画素数 | 有効1600万画素 | |
ローパスフィルター | レス設計 | |
ISO感度 | 200~25600(拡張:100) | |
AFエリア | 49点 | |
シャッタースピード | メカシャッター:60~1/500秒 電子シャッター:1~1/16,000秒 |
|
連写(メカシャッター) | メカシャッター: 約5.8コマ/秒(AFS時) |
|
連写(電子シャッター) | 電子シャッター: 約10コマ/秒(AFS時) |
|
手ブレ補正 | ボディ側無し(レンズ側で補正) | |
動画性能 | [4K] 3840×2160, 30p [FHD] 1920×1080, 60p |
|
ステレオマイク | ○ | |
液晶モニタータイプ | チルト式タッチパネル液晶 | |
液晶モニター画素数 | 3インチ (104万ドット) | |
ファインダー | 約276万ドット | |
防塵防滴仕様 | – | |
AF測距検出範囲 | EV -4~18 | |
測光範囲 | EV 0~18 | |
広角4Kセルフィー | ○ | – |
夜景セルフィーモード | ○ | – |
サイレントモード | ○ | |
電子水準器 | ○ | |
内蔵フラッシュ | ○ | |
セルフタイマー | 2秒/10秒/10秒 3枚 | |
通信方法 | Wi-Fi | |
幅 | 106.5mm | 106.5mm |
高さ | 64.6mm | 64.6mm |
奥行き | 33.3mm | 33.3mm |
重さ(バッテリー、メモリーカード含む) | 240g | 239g |
撮影可能枚数 | 210枚 | |
バッテリー | DMW-BLH7 | |
使用メディア | microSD | |
USB充電 | ○ |
GF10はこんな人におすすめ
「GF10」は前モデル「GF9」の良い部分を継承したまま、自撮り機能を強化したモデルになっています。
スマホとはひと味違う高画質で自撮りをしたい女性、軽量・コンパクトで簡単操作ができるミラーレスが欲しい人におすすめできます。
このGFシリーズは数年前のモデルより起動速度や再生画面表示反応などが高速化され、操作性が上がり使いやすくなっています。
またAFは空間認識技術を採用しているため動く被写体にも追従性能を発揮してくれます。
写真の絵づくりは、上位機に比べてしっかり色合いが出る絵づくりになっています。
一方で新機能はなくてもいい、という人は前モデル「GF9」も候補に入ると思います。
型落ちのため価格が下がり、2万円程度安く購入できます。
LUMIX GF10のメリット
- 広角24mmの4Kセルフィー
- 夜景セルフィーモードで自撮り強化
- チルト式タッチパネル液晶
- サイレントモードあり