35mm換算イメージ
35mm判換算・焦点距離・画角は初めて一眼レフデビューした人には聞き慣れない言葉だと思います。

いずれもレンズに関わる用語なので、理解できないと一眼レフの醍醐味であるレンズ交換ができなくなってしまいます。

そこで、このページでは専門用語を図を用いてわかりやすく解説しています。

最後に計算が出てきますが難しくないですし、これからずっと使う計算式なのでこの機会にマスターしてみてください。

焦点距離とは?

焦点距離とは、カメラのセンサーからレンズの主点までの距離を言います。

これは200mm望遠レンズをつけた場合の焦点距離です。

200mm望遠レンズ

28mm広角レンズをつけた場合の焦点距離はかなり短くなります。

28mm広角レンズ
この長さが焦点距離になります。
実際に装着したときの正確な長さはレンズに記載されています。

24mmレンズ
この単焦点レンズでは「24mm」が焦点距離になります。(単焦点レンズはズームができないレンズです)

EF-S18-55mm-F3.5-5.6-IS-II-1
入門者向け一眼レフに付属しているキットレンズは「18-55mm」が焦点距離になります。

これはズームレンズなのでズーム位置によって焦点距離が変わり、望遠するほど長くなります。広角端(こうかくたん)が18mm、望遠端(ぼうえんたん)が55mmとなります。

画角とは?

画角とは、焦点距離によって変わる、写る範囲を言います。

金閣寺広角28mm

金閣寺中望遠50mm

金閣寺中望遠90mm

金閣寺望遠200mm

このように焦点距離によって、写る範囲が変わります。

広い風景を撮りたいなら28mm、少し大きくして撮りたい場合は90mm、遠くの一ヵ所を拡大したいなら200mm、と覚えておけば画角をイメージしやすいと思います。

センサーサイズの違い

センサー(撮像素子またはCMOSとも呼ばれる)は、レンズから入ってきた光を取り込んで写真を作り出す、重要なパーツになります。

センサー

カメラボディ内部のパーツですが、このセンサーの大きさによって画角が変わってきます。
様々なサイズがあるので図で比較してみます。

新センサー比較2

35mmフルサイズは35mmフィルムと同じサイズでこの中では最も大きくなります。

入門者向け一眼レフはAPS-Cを使用していて、キヤノンやニコン、ソニーが採用しています。

オリンパス・パナソニックのミラーレス一眼はマイクロフォーサーズ(4/3型)が使われています。

1型はニコンのミラーレス一眼や高性能コンパクトカメラ、1/2.3型は一般的なコンパクトカメラやスマートフォンに使われています。

ワンポイント解説

センサーはこれ以外に中判、APS-H、Foveon、1.5型などがあり、また同じ種類でも機種により僅かにサイズが異なることがあります。

35mm判換算とは?

先程の図のように35mmフルサイズ以外のセンサーはバラバラな大きさになっています。

センサーサイズが違うことで、同じ焦点距離のレンズをセンサーサイズの異なるカメラに取り付けると画角(写る範囲)が異なります。

例えば同じ35mmレンズでも、フルサイズ一眼では広く写るのに対し、マイクロフォーサーズ機では少し望遠した画角で写ります。

そのため、小さいセンサーは焦点距離を35mmフルサイズに合わせて再計算して揃える必要があります。

この再計算を「35mm判換算」といいます。

この35mm判換算をすることで、どのメーカーでどんな機種のユーザーでも「28mmなら広く撮った写真だね」、「90mmなら少し望遠しているね」、という共通認識を持つことができます。

(フルサイズ一眼はレンズに書かれた焦点距離のままで画角をイメージすることができます)

APS-Cセンサーを使っている人は「×1.5」か「×1.6」

キヤノン・ニコン・ソニー・ペンタックスの入門者向け一眼レフはAPS-Cという種類のセンサーを使用しています。

ニコン・ペンタックス・ソニーは「×1.5」
キヤノンは「×1.6」

このように35mm判換算の計算をします。

実際に、付属のキットレンズを確認してみると、赤矢印の部分に「18ー55mm」と書かれています。
EF-S18-55mm-F35-5-IS-II-1

これはキヤノンのレンズなので、「×1.6」すると「28.8mmー88mm」となり、広く写る「約29mm」から、約3倍ズームした「88mm」相当の画角で写るという意味になります。

これが理解できれば「35mm判換算」はマスターできています。

このレンズの例も見ておきます。
AF-S-DX-NIKKOR-35mm-f18

これはニコンの35mm単焦点レンズです。

ニコンなので35mmを「×1.5」すると52.5mmとなり、ニコンのAPS-C機では52.5mm相当の画角として写すことができます。

ニコン・ソニー・ペンタックスは「×1.5」、キヤノンは「×1.6」という計算になります。

ワンポイント解説

厳密な計算方法は 「35mmフルサイズセンサーの対角線(36mm×24mmセンサーとして約43.27mm)÷対象カメラのセンサーの対角線」になります。

ニコン・ソニー・ペンタックスの最新APS-C機に使用されている主なセンサーは23.5×15.7mm(センサーの種類により僅かに異なります)なので、計算式(対角線=√(底辺2乗+高さ2乗))から対角線は約28.26mmとなります。

従って計算式は「43.27mm÷28.26mm=約1.531…」となり、「×1.53」がより正確な35mm判換算の倍数ということになります。

キヤノンの最新APS-C機では22.3×14.9mmのセンサーが主に使用されていて、その対角線は約26.82mmになります。

計算式は「43.27mm÷26.82mm=約1.6133…」となり、「×1.61」がより正確な倍数となります。

マイクロフォーサーズセンサーを使っている人は「×2」

オリンパスやパナソニックのミラーレス一眼はマイクロフォーサーズという種類のセンサーが使われています。

APS-Cよりも小さいセンサーとなり、画角は「×2」で計算します。

付属の標準ズームレンズには「14-42mm」と書かれているので「×2」すると、「28mm」から「84mm」相当の画角で写ることになります。

25mmと書かれた単焦点レンズの場合は50mmの画角で写ります。

マイクロフォーサーズは2倍するだけなので簡単に計算ができます。

ワンポイント解説

マイクロフォーサーズのセンサーは17.3mm×13mmとなっていて対角線は約21.64mmとなります。

フルサイズとの倍数の計算式は「43.27mm÷21.64mm=約1.999…」となり、「×2」が倍数として計算できます。

1型センサーを使っている人は「×2.7」

ニコンのミラーレス一眼の場合はさらにセンサーが小さく1型のタイプを使用しています。

そのため画角は「×2.7」で計算します。

標準ズームレンズには「10-30mm」と書かれてあり、「×2.7」すると「27mm」から「81mm」相当の画角で写ることになります。

ワンポイント解説

1型センサーは13.2mm×8.8mmとなっていて対角線は約15.86mmとなります。

フルサイズとの倍数の計算式は「43.27mm÷15.86mm=約2.728…」となり、「×2.7」が倍数として計算できます。

自分のカメラだけ覚えよう

様々なセンサーサイズや計算式をご紹介してきましたが、自分の使っているカメラが「×何倍」になるのか、それだけ覚えれば大丈夫です。

一眼レフ初心者の方は自分のカメラの計算式をもとに、レンズ交換を楽しんでください。

まとめ

  1. 焦点距離はレンズとボディの距離(幅)
  2. 画角は写る範囲
  3. センサーには様々な大きさがある
  4. 35mm判換算は掛け算をするだけ

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