春鶯囀(しゅんのうてん)とは、山梨県の萬屋醸造店が醸造している日本酒の銘柄です。江戸後期からの歴史を誇る蔵元の手による作となります。

萬屋醸造店は江戸期の誕生以降、当時交通や貿易の拠点であった富士川で、人が集まれば必然飲まれることになる酒造りを担当してきました。

創業以来、「万」の字を分解した形となる「一力正宗」を看板銘柄として多くの人々に愛されてきました。

しかし、明治、大正、昭和と活躍した歌人、与謝野晶子が山梨を旅した際、その風景やたたずまい、萬屋に滞在しお酒の素晴らしさなどを詠んだ歌を発表します。

その一節に古代の雅楽のタイトルにもある、春のウグイスのさえずりを指す「春鶯囀」という言葉があり、当主が感銘を受けたことで、この名がつきました。

戦後、まだ旧区分が生きている時代にいち早く醸造に糖類を用いることを止め、「春鶯囀」ブランドもより本格派の銘柄として進化してきました。

春鶯囀は、その雅な響きにふさわしく、素材もこだわり抜かれています。

甲州の山々を望む最適な自然の中で汲み上げる名水を使用し、近年では酒米もその多くを地元産で占めるという徹底ぶりを見せ、さらに研究を進めています。

その結果は着実に現れ、大吟醸から本醸造まで様々なグレードがある中でも、高級銘柄に限らず、全国的に極めて高い評価を受けていますね。

最近は人気漫画「もやしもん」とのコラボを行うなど、活躍の幅をさらに広げてもいます。

その味わいはスッキリとした辛口で後味も良く、お冷でもお燗でも味が膨らむと好評があり、特に食中酒として適しているようです。

春の告げる鳥のようなしっかりとした爽やかさがあるとも言え、名付けの雅やかさもあり、今後ますます人気が出そうな銘柄とも言えるでしょう。

買取価格の上限は、「純米酒」が800円ほどとなっております。

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