自宅で見つかった古銭は、長年放置されていたため汚れていることが多いです。
「せっかくの古銭だから、できるだけ綺麗な姿に戻したい」
と思うのも当然だと思います。
このページでは古銭・コインを綺麗にできる洗浄方法をご紹介しています。
もしこれから古銭を売る場合は注意点があるので、それも参考になると思いますよ。
これはNG!
硬貨を洗う方法は様々ありますが、方法を間違えるとキズがつくなどして逆に状態を悪化させてしまします。
してはいけないNGクリーニング方法をご紹介しておきます。
■固いスポンジなどでこする
固いスポンジでこすると、硬貨は簡単にキズがついてしまいます。特に銀貨などは柔らかいのでキズがつきやすく、固いスポンジは厳禁です。
■洗剤不要スポンジ
100均でも売られている、洗剤不要のスポンジもNGです。一見柔らかいので大丈夫そうですが、けっこう摩擦が強いのです。
台所の掃除ではどんどん汚れを落としてくれて便利ですが、硬貨の洗浄には使えません。
銀貨を洗浄するならこれ
洗浄方法は硬貨の素材によって異なってきます。まず銀貨の洗浄方法をご紹介します。
重曹を使う
銀貨を洗浄する身近な方法としては、重曹を使う方法があります。
やり方はとても簡単で、銀貨に重曹をふりかけ、少し水を垂らして指でこするだけです。
少しずつですが、汚れを落とすことができます。ただ、洗浄力は強くないのでピカピカにするほどの効果はありません。
デメリットは軽く研磨をしている状態になるので、キズがつく可能性があります。
コインクリーナーを使う
古銭を洗浄するためのコインクリーナーというものがあります。
ふだん古銭に関わらない人には専用のクリーナーが発売されていることは知らないかもしれません。
日本貨幣商協同組合加盟店が販売している薬品なので、信頼できるクリーナーです。
ただ基本的には銀貨専用で、銅貨に使用しても多少綺麗になる程度です。
デメリットとしては、輝きが戻ってもどこか作り物のような輝きに感じることがあります。
貴金属みがきクロスを使う
貴金属みがきクロスは、貴金属店でも使用されている金属専用のクロスです。
研磨剤とツヤ出しワックスを染み込ませてあるので、拭くだけでピカピカと綺麗にできます。(研磨剤が含まれていないジュエリークロスもあります)
デメリットとしては、硬貨に大きな汚れがついている状態で強く拭くと、その汚れの塊で硬貨にキズをつけてしまうことがあります。
そのためあらかじめ柔らかい歯ブラシでこするなどして表面の汚れを落としてから使用するのがベストです。
貴金属みがきクロスはAmazonや無印などでも安く販売されています。
銅貨を洗浄するならこれ
次に10円玉など銅貨の洗浄方法をご紹介します。
お酢やレモン汁につける
銅貨を洗浄する身近な方法といえばこれです。
子供の頃、10円玉を綺麗にした経験があるのではないでしょうか?酸の化学変化を利用して綺麗にする方法です。
やり方は、銅貨をお酢にしばらく漬けておき、その後歯ブラシなどで丁寧に掃除をします。
少し程度のサビであれば落ちますし、たいていの銅貨は輝きが戻ってきます。
この洗浄方法では10円玉以外にも、黄銅貨の5円玉も効果が出やすいです。
逆に1円玉はアルミでできているのでお酢などの酸は効果がなく、むしろ長時間漬けるとアルミが傷んでしまいます。
銅磨きクリームを使う
ホームセンターなどには銅磨き用のクリームが販売されています。
「ピカール金属磨」というクリームは有名で、Amazonでも売られています。自転車などのサビ取り商品としてもよく使用されます。
ただそれは研磨が強いということにもなるので、デリケートな銅銭の場合はキズがつく可能性があります。
古銭の状態によってキズのつきやすさも異なるので、こればかりは自己責任になるでしょう。
貴金属みがきクロスを使う
銀貨と同じく、銅貨でも貴金属みがきクロスは効果的です。
特に10円玉はピカピカになるので気持ちいいくらいです。他の素材の硬貨でも綺麗になりやすいのでおすすめです。
クロスがすぐ真っ黒になるので、先に歯ブラシなどで表面の汚れを落としておきましょう。
金貨の洗浄方法は?
金貨はキズがつきやすい素材なので洗浄は難しいです。
純度が高いほど柔らかいため、キズがつきやすくなります。(24Kは純度100%、18Kは純度75%、14Kは純度60%)
綺麗にする方法としては、研磨剤無しのジュエリークロスや柔らかい布で拭く、また眼鏡屋にある超音波洗浄機で汚れを落とす、などになるでしょう。
ゴールド専用クリーナーも販売されているのですが、硫酸が含まれるクリーナーを使うと金以外に含まれている銀などの金属を溶かしてしまうため、このようなクリーナーで洗浄すると多くの金貨がボロボロの状態になってしまいます。また薬品による変色の可能性も出てきます。
ですので金貨の場合はクリーナーはおすすめできません。
もし取れない汚れがあったとしても、古銭なので時代色というか歴史を感じられる風合いと考えてそのままにしておくのが無難です。
保管はなるべく空気に触れないようにするのがポイントです。
紙幣の洗浄方法
紙幣に染み込んだシミや汚れは綺麗にする方法はありません。
ただシワは綺麗に伸ばすことができます。
やり方は、シワシワの紙幣に水を少しかけて、低温アイロンをかけるだけです。
「お金に水をかけたりアイロンをかけるなんてビックリ」
という人がほとんどだと思いますが、和紙は案外頑丈なので大丈夫です。
低温でも焦げる心配はあるので、紙などを間にはさんでからアイロンをかければ安心です。
古い紙幣の場合は丈夫な紙かどうかわからないので、しない方がいいかもしれません。特に戦中・戦後の紙幣などは粗悪な材料を使っているので破れやすくなっています。
また洗浄のときに水ではなく大根おろし汁をかけると、デンプンの作用でパリッと仕上がります。
大根おろし汁と使うのも驚きの方法だと思いますが、実は昔から掛け軸のメンテナンスに使われていて伝統ある洗浄方法なのです。
古銭を売る人は注意!
古銭を綺麗にする方法をご紹介してきましたが、古銭を買取業者に売る人は洗浄NGなので注意が必要です。
「少しでも綺麗な方が高く売れるんじゃないの?」
と思うかもしれませんが、古銭のようなアンティーク物は少し違っています。
買取業者の立場から見ると、人工的に綺麗に変化させるという行為は本体の姿から遠ざけることになるため、価値が下がったと判断するのです。
(ただホコリを取る、水洗いをする、柔らかい布で拭く程度であれば大丈夫です)
クリーナーの洗浄方法もありますが、薬品によりどのような化学変化が起きるかは誰にもわかりません。古い古銭ほど、内部に含まれる不純物も様々なのでどのような変色が起きるかわからないのです。
もし変色してしまうと価値が下がるどころか買取りが不可となってしまいます。
そのようなことにならないよう、洗浄はせずに査定に出すことをおすすめします。
古銭を良い状態で保管するには?
洗浄の話をしてきましたが、保管方法もご紹介しておきます。
押さえるポイントは空気に触れさせない、ということです。
簡単に言えばジップロックにコインを入れてもよいのですが、せっかく価値がある古銭ですから専用のコインホルダーやケースを使用して丁寧に保管したいものです。
コインホルダーであればAmazonで安く販売されています。
より外気と接触させない方法として、サランラップで巻くこともおすすめです。サランラップで巻いた状態でホルダーに収めれば完璧だと思います。
そしてもし素手で古銭に触れる場合は、面ではなくサイド部分を持ちます。できるだけ皮脂をつけないことも重要なのです。もちろん手袋があればいいですね。
あとは湿気は大敵なので、押入れなど湿気の多い場所の保管は避けるのもポイントです。
まとめ
- 銀貨・銅貨は綺麗になる
- クリーニング用品を使う
- 紙幣はシワ伸ばしで綺麗に
- 買取業者に出す人は洗浄はNG