ナディアはトヨタ自動車株式会社が製造と販売を行っていたトールワゴン型乗用車です。
車の名前はロシア語で「希望」という意味のある「ナディージタ」という単語から付けられました。
この車は1998年の8月に発売されました。当時のヨーロッパでは「運転席の目線が高い5人乗りのワゴン車」が流行しており、その波に乗るべくその特徴を持つ車が製造されました。ナディアもその一つです。
ベースとなった車種はイプサムであり、イプサムとの差別点は2列シートの5人乗りであるという点です。イプサムと比較してシートの列が1列分少ないので、足元が非常ゆったりしていて前後幅が広いことが利点です。
2001年4月に1度だけマイナーチェンジが行われており、新世代のD-4エンジンである「1AZ-FSEエンジン」を搭載しました。その他にヘッドランプとテールランプの変更やフロントバンパーの変更が行われています。
この車が発売された1990年代後半から2000年代前半にかけてはワゴン型の乗用車からミニバン型の乗用車への過渡期でした。
そんな時期に生まれたワゴン型乗用車は過去の車ということで、思ったよりも売れ行きが伸びませんでした。
知名度もそれほどの伸びを見せることがなく、発売されてからわずか5年あまりで生産と販売を終了してしまうこととなりました。
さて、ユーザーからの評価ですが、車の知名度とは裏腹に高いものになっています。見た目は小柄な車ですが、室内空間はゆったりとしていて長時間の運転でも疲れにくい足元の広さを確保しています。
加えて窓ガラスが大きいため視界を広く取ることができ、運転しやすい1台に仕上がっています。
一方で、乗降口が比較的高いため、乗り降りが大変だという厳しい評価も見られました。
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