江戸時代の小判は持っていなくてもなんとなくイメージができますよね。
「小判にある模様ってなにか意味があるの?」
と思ったことはありませんか?
確かに無地よりも模様があった方が見栄えがいいですよね。しかしそれだけではなく、重要な意味のある模様があるのです。
小判の豆知識として参考にしてみてくださいね。
江戸時代の小判の種類
江戸時代には10種類の小判が作られました。
左から順に、このような名称になります。
- 慶長小判
- 元禄小判
- 宝永小判
- 正徳小判
- 享保小判
- 元文小判
- 文政小判
- 天保小判
- 安政小判
- 万延小判
基本的には模様のデザインはどれも似ています。
どの部分に何を刻印するかは、ルールがあって決められていたのです。
それぞれの模様
小判の模様を、元禄小判を参考にして確認してみます。
茣蓙目
まず表には、多数の横線が入っていると思います。これは茣蓙目(ござめ)といいます。
あの畳の茣蓙目の模様から、こう呼ばれています。
たしかに小判に茣蓙目の模様が入っていると華やかな印象となり、価値があるように見えると思います。
現代の私達でも小判といえばこのデザインですよね。
額面
小判の額面(金額)はもちろん「1両」ですよね。そのため「壱両(一両)」と刻印されています。
当時はくずし字なので「両」は「两」の文字をくずしていたり、ぱっと見てもわかりにくいですがこのように書かれています。
製造者極印
ここには「光次」と刻印されています。これは小判を鋳造した人物を証明する刻印になります。
後藤庄三郎光次という彫金師による金貨のため、このように刻印されています。
この後藤家は世襲制のため、江戸時代末期の小判でも「光次」と刻印されています。
五三桐
上下には「五三桐」の紋が刻まれています。
五三桐は、もとは後醍醐天皇が足利尊氏へ、鎌倉幕府を倒した恩賞として与えた家紋になります。
以降天皇が下賜する際に使用されたりします。小判に使用されているということは、朝廷または幕府が承認したというお墨付きになるようです。
ちなみに、豊臣秀吉が使用した家紋は五七桐は名前の通り葉の数が増えた、さらに格上の家紋になります。
現在の日本政府の紋も、この五七桐となっています。
花押
裏面にあるのは花押になります。小判を作った後藤庄三郎光次の家紋になります。
これは全ての小判に刻印されています。
極印
裏面花押の近くには、鋳造した時代を表す刻印がされています。
この元禄小判であれば、「元」と刻印されています。天保小判であれば「保」です。これはわかりやすいと思います。
元文小判であれば真書体の「文」、文政小判であれば草書体の「文」となっています。
同じ「文」ですが字体によって区別されています。
宝永小判は「宝」ではなく、易経の「乾」の文字となっています。宝永期の銀貨には「宝」が刻印されているのですが、なんらかの理由で変更されているようです。
このように種類の見分けとなる極印ですが、これば打たれていない種類もあります。
慶長小判、享保小判、正徳小判、万延小判の4種です。万延小判はとても小さい小判なので一目でわかりますが、他の3種は大きさと重さがほぼ同じです。
どうやって見分けるのかと言うと、「光次」の書体や桐極印など他の情報から時代を特定していきます。この点はプロの鑑定士でないと難しいでしょう。
験極印
験極印は検品証になります。製造者と製造所の極印がこのように並んで刻んであります。
後藤家の花押も打ってあるのですが、このように実際に携わった製造者と製造所の承認マークも入れているのです。
なお、裏面には実際に長く使用されているうちに、例えば両替商が勝手に印鑑代わりに刻印したり、受け取りの刻印などを打たれたりして、ボコボコになっている小判もあります。
小判は非常に高価
小判は江戸時代の貨幣でも最も高い価値がある貨幣になります。
1枚で10万円~100万円、さらに美品状態なら数百万円の値がつくこともあります。
もし、今所有して売ることがあるなら、複数の古銭専門の買取業者で査定をすることをおすすめします。
査定額は業者によって差があるので、一番高い業者に売らないと損をしてしまうからです。
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まとめ
- 小判といえば茣蓙目デザイン
- 小判師による刻印がある
- 「光次」は製造した後藤家を表す文字
- 買取りするなら複数査定がおすすめ